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【アメリカ】Remedy『CONTROL Resonant』、海賊版フォーラムで「買って支えろ」。Steam同時3.4万人で自社最高、日本語音声も初収録

吉沢まこと
Velleity Note 編集長
公開
最終更新
現地の一次ソースで確認 約7分で読めます
【アメリカ】Remedy『CONTROL Resonant』、海賊版フォーラムで「買って支えろ」。Steam同時3.4万人で自社最高、日本語音声も初収録

3行サマリー

  • Remedy Entertainmentの『CONTROL Resonant』が2026年9月24日に発売され、Steamの同時接続者数は3万4,000人を超えた。初代『Control』のピーク約9,100人の約3.7倍で、同社史上最高のSteamローンチになった。
  • 発売直後にクラック版が流通したにもかかわらず、海賊版を扱うフォーラムでは「余裕があるなら買って支えろ」という投稿が相次いだ。Steamの好評率は約88%、Metacriticは83(PC/PS5)。
  • 日本語音声の収録は今作が初めてで、前作はインターフェースと字幕だけだった。Steam日本ストアの価格は通常版7,990円。

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『CONTROL Resonant』、Steam同時接続3万4,000人超でRemedy史上最高のローンチに

フィンランドのRemedy Entertainmentが9月24日に発売した『CONTROL Resonant』は、同社にとって過去最も数字の出たSteamローンチになりました。Steamの同時接続者数は3万4,000人を超え、ベストセラーチャートでも1位を記録しています。6年前に出た初代『Control』のピークが約9,100人だったので、およそ3.7倍です。

ただ、数字そのものより海外で話題をさらったのは、その脇で起きていたことでした。ゲームは発売直後にクラックされ、海賊版として流通し始めます。ところが海賊版を扱うフォーラムやサブレディットでは、いつもと逆の声が目立ちました。「余裕があるなら買ってやってくれ」という書き込みです。

ユーザーレビューの好評率は約88%、Metacriticは83(PC/PS5版)、Xbox版は81。批評家の評価も商業的な数字も揃った一方で、この「海賊版ユーザーが購入を勧める」という構図が、r/gamingで6,800を超える支持と949件のコメントを集めました。

TweakTownとMP1stが伝えた、海賊版フォーラムでの「買って支えろ」の広がり

出典:Control Resonant becomes Remedy’s top Steam launch, and even pirates are telling people to buy it(TweakTown / 2026年9月26日)

出典:Game Pirates Call Truce on Control Resonant; Buys Game as Sign of Respect for Remedy(MP1st / 2026年9月26日)

火元になったのは、海賊版の話題を扱うサブレディットr/PiratedGamesに立った「クラック済み」報告のスレッドでした。そこで最も支持を集めたコメントが、購入を呼びかける理由をこう書いています。

Remedy are on the brink of bankruptcy, this is their make or break title.(Remedyは倒産の瀬戸際にいる。これは同社の正否を分けるタイトルだ)

ここで注意しておきたいのは、この「広がり」に定量的な裏付けがないことです。海賊版フォーラムで購入を勧める投稿が普段より目立った、という観測をTweakTownとMP1stが記事にし、Dot Esportsが追いかけた、という段階にとどまります。何割のユーザーがそう言ったのか、実際に何本が買われたのかを示すデータは公表されていません。

元になったRedditスレッドはr/gamingのこの投稿で、TweakTownの記事を共有する形で立っています。

発端は「瀬戸際」の一言。『Alan Wake 2』の黒字化に1年以上かかった記憶が動かした

購入を呼びかける側が持ち出した根拠は、Remedyの財務体力でした。同社の前作『Alan Wake 2』は2023年のゲーム・オブ・ザ・イヤー候補に挙がるほど評価されたにもかかわらず、黒字化までに1年以上を要しています。評価と売上が連動しなかった前例が、そのまま「今回も同じことが起きたら次がない」という危機感に変換されたわけです。

なぜ今このタイミングだったのか、という点にはもう一段の事情があります。初代『Control』はEpic Games Storeの時限独占としてPCデビューしており、Steamでの出足はその分だけ削られていました。約9,100人というピークは、作品の評価というより販路の制約を映した数字でもあります。今回はマルチプラットフォームで同時に出たため、同じ作品性でも到達できる人数の桁が変わりました。購入を呼びかけた側が「ここで数字を出させないと後がない」と受け取った背景には、この販路の違いも重なっています。

開発規模の面でも、余裕のある案件ではありません。『CONTROL Resonant』は初期の開発費が5,000万ユーロ規模と報じられ、TencentとFuncomから同額規模の出資を受けて作られたと伝えられています。投資を回収するには相当な本数が必要になる、という構図が外から見えていたことも、同情が集まった理由の一つでした。

r/gamingの反応は割れた。歓迎の声と「物語の押し付け」への反論が並んだ

r/gamingのコメント欄は、称賛だけでは終わっていません。以下はいずれも上位コメントの意訳で、支持数は記事執筆時点のものです。

  • 1,912支持「『Alan Wake 2』がRemedyの利益になるまで時間がかかったあとだから、続編がもっと多くの人に届くプラットフォームで遊ばれているのを見るのはうれしい」
  • 486支持「海賊版の連中が『買え』と言うのは、スタジオがもらえる最強のレビューだと思う。Remedyはこれに値する」
  • 654支持「初代がそんなに数字が悪かったとは知らなかった。配信を見た限りでは、かなり手の入った続編に見える」
  • 181支持「なぜ見出しが全部『海賊版』の話なんだ。普通に『買え』と勧めればいいだろう」
  • 124支持「海賊版でクリアしてから70ドル払って買い直す人が、こういう記事が示唆するほど多いとは信じられない」
  • 43支持「今トレントサイトで最も落とされているゲームなのに、『海賊版ユーザーまで買っている』という物語を押すのは意味が分からない」

つまり現地の受け止めは二層に分かれています。Remedyというスタジオへの好意は広く共有されている一方で、「海賊版ユーザーが買っている」という話の立て方そのものには、コミュニティの内側から疑いが向けられている。後者は数字で否定も肯定もできない領域なので、反論がそのまま残りました。

報じ方にも温度差があります。MP1stの記事(記者Alex Co名義)は見出しで「海賊たちが休戦を宣言した」と踏み込み、Remedyへの敬意という枠で語りました。一方でr/gamingの反論組が引っかかったのは、まさにその枠付けのほうでした。称賛の声より、この内側からの疑いのほうが個人的には印象に残っています。

日本語音声は今作が初収録。Steam版は7,990円で、前作は字幕とUIだけだった

日本のプレイヤーにとって今作の変化は、話題になっている海賊版の件よりも実務的なところにあります。日本語音声が初めて収録されました。Steamの対応言語表を前作と並べると違いははっきりしていて、初代『Control』は日本語がインターフェースと字幕のみ、今作は日本語がフル音声対応として記載されています。Game*Sparkも今年4月の時点で日本語音声の実装を伝えていました。

ファミ通のレビュー記事によると、主要人物であるディランの日本語ボイスは山内健嗣が担当しています。声優本人や事務所からの告知は確認できていないため、ここはファミ通の報道に基づく情報です。

国内の流通面では、ソニー・インタラクティブエンタテインメントがPlayStation.Blog日本語版で9月24日のPS5版発売を告知済みです。Steam日本ストアの価格は通常版が7,990円、デジタルデラックス版が8,990円(Steam公式の価格情報で確認)。macOS版は後日対応とされています。

前作は「日本語で遊べるが日本語では聞けない」タイトルでした。字幕を追う負荷が高い作風だったこともあって、そこが国内での間口を狭めていた面があります。今作でそれが外れたのは、海外で起きている盛り上がりとは別の意味で、日本の買い手にとっての条件が変わったということです。

海賊版が「買え」と言う異常事態は、Remedyへの信用が数字に変わった瞬間だった

この件が海外で刺さったのは、購入を呼びかけた人数が多かったからではありません。「タダで手に入る状態なのに金を払えと言われる」という、通常なら成立しない呼びかけが成立したこと自体が異例だったからです。そしてその理由として挙げられたのが、作品の出来ではなくスタジオの存続でした。評価されても儲からなかった『Alan Wake 2』の記憶が、そのまま次作の購入動機に転換された形です。

ただし、それが実売にどれだけ効いたのかは分かりません。r/gamingの反論が指摘したとおり、同じゲームは同時に最も多くダウンロードされている作品でもあります。確かなのはSteamの同時接続3万4,000人超と好評率約88%という観測できる数字のほうで、「海賊版が買っている」は今のところ物語の側にあります。

日本の視点で残るのは、その物語とは独立した事実です。今作から日本語音声が付き、7,990円でSteamで買える。前作で字幕を追うのに疲れた人にとっては、そちらのほうが判断材料になるはずです。

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吉沢まこと
Velleity Note 編集長(EIC)・エディトリアルディレクター

Webデザイナー、雑誌出版社のWebディレクター、コンテンツマーケター、Web広告プランナーを経て、現在は愛知県の業界No.1企業のインハウスのAIプロダクトマネージャー兼データサイエンティスト。Velleity Noteでは編集長としてメディアの編集方針を定めるとともに、AIとの共著で記事を制作する自動化ワークフローの設計とシステム開発を手がけている。