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【アメリカ】『ラストオブアス2』の非公式マルチプレイMOD、ソニーの要請で公開中止と制作者が公表。海外掲示板の最多202票は制作者への批判

編集部
Velleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight
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【アメリカ】『ラストオブアス2』の非公式マルチプレイMOD、ソニーの要請で公開中止と制作者が公表。海外掲示板の最多202票は制作者への批判

3行サマリー

  • 『The Last of Us Part II』PC版の非公式マルチプレイMODが、2026年1月の開発開始から9か月、公開予定だった9月に中止。制作者はソニー・インタラクティブエンタテインメントを代理する書簡を受け取ったと投稿しています。
  • 制作者のYouTubeチャンネルは登録者5万8,900人。直近の開発報告動画は11万回、25分の実機映像は8万2,000回再生されていました(2026年9月14日時点の公開データ)。
  • 差し止めを求めた側のソニー・インタラクティブエンタテインメントは、本社が東京の日本企業です。ただし海外掲示板で票を集めたのは、そのソニーへの批判ではありませんでした。

公開予定だった9月に、『ラストオブアス2』の非公式マルチプレイMODが中止になった

PC版『The Last of Us Part II Remastered』に4対4の対戦モードを後付けする非公式MODが、公開予定だった2026年9月に中止されました。制作者のSpeclizer氏が9月13日、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)を代理する書簡を受け取り、公開しないよう求められたと自ら明かしたものです。

このMODは2026年1月から開発が続けられていました。今年の夏に25分の実機プレイ映像が公開され、8月下旬にはアニメーションの同期やロードアウト(装備構成)の仕組みまで作り込まれた進捗が示されています。マッチメイキングもマップも動く状態まで到達していた企画が、公開の直前で止まった形です。

制作者は「SIEを代理する書簡を受け取った」と投稿、海外2媒体が同日に報じた

出典Last of Us Part 2 multiplayer mod ‘canceled by Sony’(Video Games Chronicle / 2026年9月14日)

出典Sony Shuts Down PC Multiplayer Mod for The Last of Us Part 2(DSOGaming / 2026年9月14日)

Unfortunately I recently received a letter on behalf of Sony Interactive Entertainment requesting for the mod not to be released.

(意訳:残念ながら、ソニー・インタラクティブエンタテインメントを代理する書簡を最近受け取り、このMODを公開しないよう求められました)

この一文が今回の一次情報にあたります。SIEもノーティードッグも、現時点で公式な声明は出していません。書簡の具体的な文面や法的根拠についても、制作者本人の投稿以上のことは確認できていない点を先にお断りしておきます。

6年前に消えた4対4の対戦モードを、有志が9か月かけて作り直していた

この一件が海外で反応を呼んだのは、『The Last of Us』シリーズの対戦モードが長いあいだ宙に浮いたままだったからです。1作目には「Factions」という4対4のマルチプレイが搭載されていましたが、続編ではノーティードッグが搭載を見送りました。2019年9月、同スタジオのニール・ドラックマン氏が「これまでで最大のゲームにするため、すべての資源を注ぎたい」として単独プレイに集中する方針を説明しています。

その後、2022年6月に『The Last of Us Online』のコンセプトアートが公開され、独自のストーリーと新しいキャラクターを持つ大型タイトルとして紹介されました。しかし2023年、ノーティードッグはこの企画も中止します。運営を続けるにはスタジオの資源をすべて投じる必要があり、それでは本来の単独プレイ作品を作れなくなる、という理由でした。

つまり6年のあいだに、公式の対戦モードは2度消えています。そこへ有志のMODが9か月かけて4対4を作り直し、公開の直前まで来ていた。この背景があるぶん、中止の知らせは「またか」という受け止め方をされる素地がありました。

海外掲示板の矛先はソニーではなく制作者へ。最多202票はPatreon課金への批判だった

ここからは実際に数えた話をします。9月14日午前11時(日本時間)の時点で、Redditの大型ゲーム板r/Gamesにこのニュースのスレッドが立っており、637スコア・202コメントを集めていました。PCゲーム板のr/pcgamingにも同じ記事のスレッドがあり、こちらは186スコア・40コメントです。

興味深いのは反応の向きでした。r/Gamesの一次コメント18件のうち、削除済みの5件を除いた13件を読むと、ソニーの対応を責めているのは2件だけ。9件は逆に、MOD制作者の側を批判していました。票数が表示されるr/pcgamingではさらに差がはっきり出ていて、上位3件(202票・59票・47票)がすべて制作者への批判、ソニーを責めた投稿は最も多いもので1票、下位5件はマイナス票を集めています。

批判が集中したのは、このMODの開発資金の一部がPatreon(クリエイター支援サービス)で集められていた点でした。以下は上位コメントの抄訳です。いずれも匿名の個人投稿で、意訳である点をお断りしておきます。

  • 202票:有料の壁の向こうに置かれたMODが取り下げられるのは、むしろ歓迎する。任意の寄付と、アクセスへの課金はまったく別の話で、課金は悪い前例になる。
  • 59票:オープンソースにすべきだったし、Patreonをやるべきでもなかったし、完成するまで公表すべきでもなかった。MOD制作者はいつまでも学ばず、何度も同じように止められている。
  • 47票:Patreonで支援していた人たちは、結局なにも受け取れずに終わった。

r/Games側でも「もちろんソニーを責める人はいる。ただ、知的財産は守らなければ失うもので、ファンMODが止められるのはたいてい収益化したときだ」という趣旨の投稿が上がっていました。一方で「ソニーが法的に正しいのはそのとおりだが、最近の評判の悪さを思えば今回は見逃してもよかったのでは」という声もあり、擁護一色というわけでもありません。

なお、制作者本人は支援金の扱いや返金について言及しておらず、金銭面で不正があったと確認された事実はありません。上に挙げたのは、あくまで掲示板利用者の受け止め方です。

ファン板r/thelastofusは7日間で1件も立てず、動いたのはゲーム総合板だった

もうひとつ数えてみたことがあります。作品のファンが集まるr/thelastofusで、この話題がどれだけ取り上げられているかです。同板の新着100件(2026年9月7日から9月14日午前11時まで、日本時間)を確認したところ、このMOD中止に触れた投稿は1件もありませんでした。

盛り上がったのはr/Gamesとr/pcgaming、つまり作品のファンではなく「ゲーム全般」「PCゲーム」の板です。これは反応の中身とも符合します。今回の話題は『The Last of Us』という作品への思い入れよりも、MODの収益化はどこまで許されるのかという一般論として消費されていた、ということになります。

日本語圏での扱いも現時点では薄く、日本のゲームメディアによる記事は確認できていません。YouTubeには日本語のショート動画がいくつか上がっていて、MODの実機映像を紹介したものが6,718回再生されている一方、中止の報を扱ったものは9回再生にとどまっていました(同じく9月14日時点)。

守られたのは知的財産で、待たされ続けたのはファンだった

ソニーが取った対応そのものは、知的財産の管理として珍しいものではありません。掲示板の反応が示すとおり、収益化をともなうファン制作物に警告が飛ぶのは以前からよくある展開です。

ただ、この6年で実際に何が起きたかを並べると、少し違う景色が見えてきます。公式の対戦モードは2019年に見送られ、2023年には後継企画も中止され、2026年には有志が作った代替品が公開の直前で止まりました。3度とも、待っていた側には何も届いていません。

制作者がPatreonで資金を集めた判断には批判が集まりましたし、それは筋の通った批判だと受け止めています。それでも、9か月かけて作られたものが誰の手にも渡らずに消えたという事実は残ります。ファンが求めていたのは対戦モードそのものであって、誰が正しいかという議論ではなかったはずです。

※Redditのスコア・コメント数、YouTubeの再生数と登録者数は2026年9月14日午前11時(日本時間)に編集部が確認した公開データです。数値はその後変動します。

編集部
Velleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight

日本のアニメ・ゲーム・音楽・カルチャーが海外でどう受け止められたかを、賛否そのままに、現地語の一次ソースで確かめてから日本語にしています。褒めるだけの国内報道とは違う角度で。続報があれば更新日を明記して追記します。