【アメリカ】定価300円の少年ジャンプが転売で60ドルに。ワンピースのカード狙いで全国品切れ、米メディアも「前代未聞」
3行サマリー
- 定価およそ300円の『週刊少年ジャンプ』33号が、フリマアプリで1冊60ドル前後まで値を上げた。
- 集英社は50万部を追加で刷ったが全国で品切れ。犯人はワンピースのカードゲーム目当ての転売だった。
- 巻き添えで、全世界1000万部の『アオのハコ』最終回の紙版を手に入れられないファンが続出している。
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少年ジャンプ33号、ワンピースのカード転売で発売直後に全国品切れ
7月13日に出た『週刊少年ジャンプ』2026年33号が、発売とほぼ同時に日本中の書店やコンビニから消えた。理由は雑誌そのものの人気ではない。付録の「ワンピースカードゲーム」29周年記念プロモカード、たった1枚のためだ。
ネット上には、車のトランクいっぱいに積んだ33号の写真が次々と上がった。定価はおよそ300円、日本円で数百円の週刊誌が、フリマアプリでは1冊60ドル前後で売りに出された。狙いは雑誌ではなく、抜き取ったプロモカードのほうにある。
Polygonなど米メディアが速報、転売した学生の「デジタルで読める」発言が拡散
この騒動を最初に大きく伝えたのは、日本のメディアではなく海外のアニメ系サイトだった。米Polygonやコタク(Kotaku)、ComicBookが相次いで記事にし、SNSでも英語圏を中心に広がった。
元ネタ:One Piece card scalpers cause Weekly Shonen Jump shortage(Polygon / 2026年7月15日)
You can read it digitally anyway.
転売を認めたある大学生は、1時間で25冊ほど買い込み、抜いたカードを1枚800〜1000円で20枚ほど売ったと話した。読めなくなる読者への影響を問われると、彼は「デジタルで読めるだろ」と言い放ち、「紙で欲しい気持ちはわかるが、悪いことをしたとは思っていない」と続けた。この一言が、海外のファンの神経を逆なでした。
集英社は50万部を増刷、それでも追いつかなかった転売の規模
集英社も手をこまねいていたわけではない。カードゲームの過熱を見越して33号は50万部を追加で刷ったと伝えられている。総部数こそ公表していないが、増刷ぶんも含めて瞬時に売り切れた。増刷が焼け石に水になるほど、転売の物量が上回ったということだ。
付録のカードで雑誌を売るやり方は、これまでも部数のてこ入れとして機能してきた。ただ今回は、1枚のカードが数百円の雑誌を数十倍の値段に化けさせ、本来の読者を棚の前から締め出す装置になってしまった。
ComicBookは「前代未聞の危機」、海外のアオのハコ・ファンも紙の最終回を逃す
海外メディアの論調は総じて厳しい。ComicBookは見出しで「Never In My Life」「前代未聞の危機」と表現し、雑誌の付録商法そのものへの疑問を投げかけた。日本の書店事情を知らない読者にとっても、300円が60ドルになる構図はわかりやすく、批判が集まりやすかった。
そして海外のファンをいちばん落胆させたのが、この33号に三浦糀『アオのハコ』の最終回・第250話が載っていたことだ。5年間続いた高校の恋と部活の物語が、全世界1000万部を積み上げてここで幕を閉じた。デジタル版で読めるとはいえ、最後の1話を紙で手元に残したかった海外ファンは少なくない。彼らの一部は、カード転売の巻き添えでその機会を失った。
カード同梱商法が生む転売と、ファンの分断という置き土産
今回の品切れは、単なる人気過熱の話ではない。付録のカードに投機的な値段がつく限り、雑誌は読むものではなく仕入れるものになり、実際に作品を追ってきた読者ほど損をする。海外のアニメメディアがこぞって取り上げたのは、これが日本国内だけの珍事ではなく、世界中のファンが同じ発売日を待っている時代の出来事だからだ。1枚のカードが、記念すべき最終回を祝う空気まで持ち去ってしまった。
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