📊 3行サマリー

  • インドの国民的バトルロイヤル「BGMI」(累計2.6億ダウンロード)が、7月16日のアップデートで『NARUTO-ナルト- 疾風伝』コラボを実装する
  • ナルトやサスケの「螺旋丸」「千鳥」が忍術スキルになり、目玉の有料パス「Prize Path」は900UC。前回・呪術廻戦コラボの500UCから値上げした
  • インドはアニメ視聴で日本・中国に次ぐ世界3位、ナルト人気も国内3位。1.8億人のファン市場へ日本IPが直接食い込む

BGMI、7月16日に『NARUTO疾風伝』コラボ実装——インド版PUBGの目玉アップデート

インドで最も遊ばれているスマホゲーム「BGMI(Battlegrounds Mobile India)」が、7月16日配信のバージョン4.5アップデートで『NARUTO-ナルト- 疾風伝』とのコラボを始める。BGMIは韓国Kraftonがインド専用に運営するPUBGモバイルのインド版で、累計2.6億ダウンロード、7月2日に配信5周年を迎えたばかりの看板タイトルだ。

グローバル版のPUBGモバイルが7月9日にナルトコラボを実装するのに対し、インドサーバーのBGMIは1週間遅れの16日。同じ4.5シーズンにはスパイダーマンとフェラーリのコラボも入るが、現地メディアが「今年最大級のコラボ」と呼ぶのはナルトのほうだ。ベータ版では6月9〜25日に先行テストが行われた。

Krafton India発表:ナルト・サスケ・イタチの忍術がゲーム内スキルに

元ネタBGMI 4.5 Update Leaks Reveal Upcoming Themed Mode, Features, and More(InsideSport India / 2026年6月)

Players can wield signature Ninjutsu like Chidori, Rasengan, and Multiple Shadow Clones to crush enemies.

テーマモードでは、プレイヤーが千鳥・螺旋丸・影分身といったおなじみの忍術を技として使える。マップを高速で駆ける「Ninja Run」も実装される。手に入る衣装はうずまきナルト、うちはサスケ、うちはイタチ、うちはマダラ、はたけカカシなど、原作の人気キャラを一通り押さえた構成だ。

インドはアニメ視聴で世界3位、ナルト人気も国内3位——1.8億人のファン市場

なぜインドでナルトなのか。背景には、ここ数年で一気に育ったインドのアニメ需要がある。世界のアニメ視聴ランキングでインドは日本・中国に次ぐ3位。普及率は41%、ファン人口はおよそ1.8億人と推計されている。市場規模は2025年で12.2億ドル、2034年には33.2億ドルまで伸びる見通しだ。

作品別の人気でも、ナルト(疾風伝・BORUTO含む)はインド国内で3位に入る。ドラゴンボールZや進撃の巨人と並ぶ定番で、バトル描写の濃さが現地の若い層に刺さってきた。Crunchyrollが地域言語の吹き替えを増やしてから、インドの視聴は一段と伸びている。配信で「観る」層が厚くなったところに、今度はゲームで「動かす」入り口が用意された格好だ。

目玉パスは900UC——前回・呪術廻戦コラボの500UCから値上げに賛否

盛り上がりの一方で、現地のプレイヤーが気にしているのが課金額だ。今回の目玉である有料パス「Prize Path」は900UC。3月の呪術廻戦コラボが500UCだったので、ナルトでは実質的な値上げになる。ミッションをこなせば無料で取れる報酬もあるが、ミシック衣装など上位アイテムは課金前提という構造は変わらない。

BGMIのコラボはこれまでも「内容は豪華だが財布に厳しい」と賛否が割れてきた。無料で遊ぶ層と課金する層の差が開くという声は、今回のナルトでも繰り返されている。それでも先行テスターからは「アニメ好きとして4.5のテーマモードに興奮した」という反応が出ており、期待値そのものは高い。

2.6億人の市場で日本IPが稼ぐ——コラボという新しい輸出ルート

日本側から見ると、アニメIPの稼ぎ方そのものが変わってきた。これまでインド市場での日本コンテンツの収益は、配信の視聴やグッズが中心。そこへ、2.6億ダウンロード級の国民的ゲームへIPを貸し出す経路が加わった。観てもらうだけでなく、ゲーム内のキャラ衣装やパスとして直接お金になる。

ナルトの版権元である集英社や、ゲーム化を担うバンダイナムコ系にとって、インドは人口規模に対してまだ取りこぼしの多い市場だった。任天堂のインド正規進出が2027年とされる中、Kraftonのような現地運営に強い企業の看板ゲームに相乗りする形で、日本IPが先に足場を作る。アニメ大国に育ちつつあるインドで、日本の作品が「現地の遊びの一部」になっていく流れが見えてくる。

アニメを「観る」から、ゲームで「動かす」へ——インドの日本IP受容が次の段階に

BGMI×ナルトは、単発の話題コラボでは終わらない。1.8億人のアニメファンを抱えるインドで、日本のキャラが配信の画面からゲームの操作対象へと移っていく。課金設計への不満はくすぶる。それでも、現地の国民的タイトルが「今年最大級」の目玉に日本IPを選んだ。アニメ大国に育つインドで、日本のキャラがどこまで現地の遊びに溶け込むのか。7月16日、まずはナルトがインドの戦場を走り出す。