📊 3行サマリー
- インドのアニメ視聴率は41%で、日本(55%)・中国(42%)に次ぐ世界3位(GEM白書2026・15カ国1.5万人調査)
- 『呪術廻戦』『チェンソーマン』ではヒンディー語吹き替えの視聴者が英語版を上回ったとCrunchyroll幹部が証言
- インドのアニメ市場は2024年の約11億ドル(約1,650億円)から2033年に約29億ドル(約4,400億円)へ拡大予測
📝 インドのアニメ視聴率41%、日本・中国に次ぐ世界3位に
東京の調査会社GEM Partnersが4月16日に出した「Anime Global White Paper 2026」で、インドが日本・中国に続く世界3位のアニメ視聴大国になったことがわかった。視聴率はインドが41%。1位の日本が55%超、2位の中国が約42%なので、中国とはほぼ肩を並べている。
この数字は「何人が見ているか」ではなく「人口に対して何割が見ているか」を測ったもの。人口14億のインドで4割が見ているという話なので、実数で言えば相当な規模になる。しかも2020年から2025年の伸び率は30%超で、世界で最も速く伸びている市場のひとつだ。
📰 Outlook Respawn報道:GEM白書は15カ国1.5万人を対象に調査
元ネタ:India Ranks Among Top Three Global Anime Viewership Markets(Outlook Respawn / 2026年4月20日)
India has secured third place in global anime viewership penetration, trailing behind only Japan and China.
GEM Partnersは15カ国・1万5千人を対象に、視聴の「浸透率」を聞いた。インドと韓国は伸び率でも上位で、韓国の伸びが32%。視聴率の高さではインドが韓国を上回っている。アジア太平洋地域は2025年時点で世界のアニメ市場の49.3%を占めていて、成長の中心がこの地域に移っていることがはっきり出た。
🔥 ヒンディー語吹き替えが英語版を逆転——Crunchyrollが2023年に全面導入
面白いのは、インドでアニメを支えているのが英語ではなく現地語だという点だ。Netflixインドは2020年に『となりのトトロ』『千と千尋の神隠し』などジブリ作品からヒンディー語吹き替えを始めた。Crunchyrollも2023年にライブラリのほとんどに現地語の吹き替えを付けた。
その結果が数字に出ている。Crunchyrollのアジア太平洋・インド担当マーケティングディレクター、Akshat Sahu氏によると、『呪術廻戦』や『チェンソーマン』のような人気作では、ヒンディー語吹き替えの視聴者が英語版を上回ったという。英語が公用語の一つであるインドで、それでも母語の吹き替えが選ばれている。都市部の英語話者だけでなく、ヒンディー語・タミル語・テルグ語圏まで視聴者が広がった結果だ。
🇯🇵 日本のアニメ会社にとってインドは「英語より現地語」の市場
日本のアニメ会社や配信側がインドを取りに行くなら、英語字幕を載せれば届く、という発想ではもう足りない。現地語の吹き替えを用意したタイトルが伸びている以上、ローカライズにどこまで投資するかが勝負になる。
人気作はインドで歴代記録を作り始めている。『鬼滅の刃 無限城編』はインドのアニメ映画として歴代1位の興行になり、750館・早朝5時の回まで埋まった。『呪術廻戦』『ドラゴンボール』『ドラゴンボールDAIMA』も人気が続いている。視聴率世界3位という土台の上で、日本発の作品が実際に劇場と配信の両方で数字を動かしている段階に入った。
🏁 視聴率は世界3位でも、収益化はこれから
視聴の浸透ではインドはもう世界3位だが、市場規模で見ると2024年で約11億ドル。これから2033年に約29億ドルへ伸びる「途中」の市場だ。視聴者の数と、そこから上がる金額の間にはまだ差がある。現地語の吹き替えにコストをかけ、その投資を回収できるかどうか。インド市場の本番はここから先だ。

