📊 3行サマリー

  • 『ドラゴンボール』孫悟空役の野沢雅子が、サウジ発アニメ『アサティール2 未来の昔ばなし』で祖母アスマを演じている。東映アニメーションとの共同制作で全13話。
  • シリーズ1は世界40以上の配信サービスで1億回以上再生された。続編はテレ東系列で2024年11月から放送。
  • 製作元のマンガプロダクションズはサウジ皇太子のMiSK財団傘下で、2026年3月には日本の内閣府が関わるクールジャパンの表彰(CJPF)で大賞を受けた。

📝 悟空の声・野沢雅子が、サウジ発アニメ『アサティール』で祖母を演じている

『ドラゴンボール』の孫悟空でおなじみの野沢雅子が、サウジアラビア発のアニメで祖母役を務めている。作品名は『アサティール2 未来の昔ばなし』。アラビア語で「昔ばなし」を意味するタイトルどおり、おばあちゃんが孫たちにアラビア半島の民話を語り聞かせる物語だ。制作はサウジのマンガプロダクションズと、日本の東映アニメーションの共同。野沢が声をあてるのは、太極拳の達人でもある陽気なアスマお婆ちゃんで、シリーズ1から続けて演じている。

📰 テレ東が発表:東映アニメと共同制作、2024年11月からテレ東系列で全13話

元ネタサウジアラビアと日本の共同制作アニメシリーズ「アサティール2 未来の昔ばなし」放送決定(テレビ東京 / 2024年10月4日)

マンガプロダクションズと東映アニメーションが共同制作した『アサティール2 未来の昔ばなし』が、テレ東系列にて2024年11月3日から放送される。

テレビ東京が2024年10月に放送情報を出した。野沢のほか、大空直美、小島幸子、園崎未恵らがメインキャストに名を連ねる。テレ東系列で2024年11月3日からの毎週日曜あさ7時、全13話の枠で流れた。

🔥 舞台はNEOMの海上都市オクサゴン、シリーズ1は40超の配信で1億回再生

2020年のシリーズ1は、世界40以上の配信サービスに乗り、再生回数は1億回を超えた。続編の舞台は、少し先の未来のサウジアラビアだ。西海岸の巨大開発「NEOM(ネオム)」にある海上都市オクサゴンに、小学6年生の少女マハの一家が引っ越してくるところから物語が始まる。母は優秀なAIプログラマー、父は浮遊式の太陽光パネルを開発する研究者という設定で、サウジが国を挙げて進める近未来都市構想がそのまま背景に溶け込んでいる。アラビアに伝わる民話と、サウジが描く未来図を、日本のアニメ技術で1本にまとめた。そんな作品だ。

🇯🇵 日本の制作力と声優ごと取り込み、サウジが自前のアニメIPを育て始めた

見逃せないのは、サウジが日本の制作力と声優をまるごと取り込んでいる点だ。共同制作には東映アニメーションが入り、監督やキャラクターデザインには日本人スタッフがずらりと並ぶ。そのうえで主役級の祖母には、日本の声優界で知らない人はいない野沢雅子をあてた。マンガプロダクションズはサウジ皇太子が設立したMiSK財団の子会社で、日本コンテンツを中東へ届けるライセンス窓口も兼ねる。2026年3月には、姉妹会社のマンガアラビアとともに、日本の内閣府が関わるクールジャパンの官民連携の枠組み(CJPF)の表彰で大賞を受けた。日本から見ると、自国のアニメ産業が作品を輸出するだけでなく、制作ノウハウや声優という「人」ごと外に出て、現地の物語づくりに組み込まれ始めた一例になる。

🏁 「コンテンツは石油」——サウジはアニメの消費国から共同制作国へ動いた

サウジ側の関係者は、アニメを「日本の石油」になぞらえて、その可能性を語ってきた。石油大国が、次の稼ぎ頭としてアニメに目をつけ、ただ観るだけの市場から、日本と一緒に作る側へ回り始めている。野沢雅子がアラビアのおばあちゃんを演じるという一見ちぐはぐな取り合わせは、その変化をそのまま映している。日本のアニメがどこまで「共同制作」というかたちで外へ開いていくのか。『アサティール』は、その試金石として見ておく価値がある。