📊 3行サマリー

  • フランス産ゲーム38本を集めた「Games Made in France 2026」が4月23〜26日の4日間、MisterMVのTwitchチャンネルで連続配信中。昨年は平均7,000人同時視聴、総視聴100万回超の大型ショーケースへ成長した。
  • 昨年の「Clair Obscur: Expedition 33」が累計440万本販売・The Game Awards 2025で9冠を獲得。フランス発のターン制RPGがJRPG本場で評価され、仏監督自ら「FRPG運動」と宣言した。
  • 今回のショーケースにはDon’t Nodの新作Aphelion(4月28日発売)、Sega「ベア・ナックル」を蘇らせたDotemuのAbsolum、Steamウィッシュリスト10万件超The Witch’s Bakeryなど、JRPG・和ゲー文脈に直接刺さる作品が並ぶ。

📝 フランス産ゲーム38本がTwitchで一斉お披露目、4月23日〜26日の4日間連続配信

フランス産インディーゲームだけを集めた大型ショーケース「Games Made in France 2026」が、4月23日(木)〜26日(日)の4日間、大手フランス語系ストリーマーMisterMVのTwitchチャンネルで連続配信されている。初日は現地時間18:30(日本時間翌1:30)開幕で、38本の新作・未発売作を対象にしたライブデモ、開発者インタビュー、未公開映像のお披露目が組み合わされる構成だ。今年で6回目の開催にあたり、フランス国立映画映像センター(CNC)とイル=ド=フランス地域圏、フランスゲーム産業団体Capital Gamesが後援。昨年第5回は平均7,000人同時視聴、4日間累計100万回超の視聴を記録し、業界メディアも「過小評価されてきたフランスゲーム文化が可視化された」と評している。

📰 Gamedōが選出した「要注目8作」——JRPG・和ゲー直系の系譜が並ぶ

元ネタGames Made in France 2026: 8 Best French Indie Games to Watch(Gamedō / 2026-04-08)

France does not get enough credit for its indie game scene.(フランスはそのインディーゲーム業界に対して、十分な評価を得ていない)

Gamedōが今回のショーケースの中から選んだ8本の中には、日本ゲーマーにも馴染みの深い顔ぶれが並ぶ。Life is StrangeシリーズのDon’t Nodは、凍結した惑星ペルセポネーを舞台にしたナラティブアクション「Aphelion」4月28日に発売(showcase開催直後)。Streets of Rage 4でセガの格闘アクションを蘇らせたDotemuは、ルーグライト×ベルトスクロール「Absolum」(2025年10月配信、Steam評価「非常に好評」94%)を出展。魔女のパン屋を営むナラティブRPG「The Witch’s Bakery」はSteamウィッシュリスト10万件超で、PS5・Switch 2を含むマルチ展開が予定されている。Road 96のDigixArtが手がけるオンライン物語連鎖型「Tides of Tomorrow」(THQ Nordic配給)も要注目だ。

🔥 Clair Obscur 440万本・TGA9冠が火をつけた「FRPG運動」——フランス業界の構造転換

この活況の決定打となったのが、Sandfall Interactive(モンペリエ)が2025年4月にリリースした「Clair Obscur: Expedition 33」だ。3日で100万本、1か月で330万本、2025年10月までに累計5,000,000本(VGChartzは2026年時点の最新値を4,400,000本と報告)を達成。The Game Awards 2025ではGame of the Yearを含む9部門で受賞し、単一作品の受賞数としては史上最多を記録した。マクロン仏大統領が公式アカウントで祝辞を投稿するほど「国家的成功」となっている。注目すべきは、同作ディレクターGuillaume Brocheが「これは伝統的なJRPGとは全く違う。いまフランスでは、FFやペルソナへの敬意を起点にした『FRPG(フレンチRPG)』を作ろうという運動が生まれている」と明言した点にある。Alinea Analyticsの集計では、Clair Obscurは「近年のJRPGと比較して2倍のスピードでSteam上で売れている」。フランスは、従来の「Ubisoftに代表されるオープンワールドの大国」から、「ターン制RPG・ナラティブRPGの輸出国」へと構造を変化させつつある。

🇯🇵 日本のFF・ペルソナ独占に正面から挑む、日本ゲーム業界の対応が問われる段階に

FRPG台頭は日本のRPGメーカーにとって明確な脅威だ。これまでターン制RPGは事実上、スクウェア・エニックス(FF・ドラクエ)・アトラス(ペルソナ)・日本一ソフトウェアら日本勢の寡占市場だった。しかし(1)Clair Obscurの440万本販売(=FF XVIの発売半年経過時と同等規模)、(2)Steam評価98%の「圧倒的に好評」、(3)「JRPGの文法を踏まえつつ差別化した戦闘システム」という3点が、日本メーカーが長年築いてきた参入障壁を崩し始めている。一方で日本市場自体では、Clair ObscurはPush Squareの分析によれば「JRPGインスパイアの割に販売が苦戦している」状況で、ローカライズ・マーケ面での課題も浮上。日本のRPGユーザーが「フランス発のJRPG風作品」をどこまで受け入れるかは、Sandfallの次回作だけでなく、今回のショーケースで発表された作品群の日本展開の成否にも直結する。特にDotemu×セガDon’t Nod×日本パブリッシャーといった既存関係がどう深化するかが、フランスゲームのアジア展開を左右する。

🏁 フランス発の「ターン制RPG逆輸出」現象、JRPG覇権時代の終わりを予告する4日間

「Games Made in France 2026」は単なる国内ショーケースの延長ではない。Clair Obscurの成功で可視化された「FRPGがJRPGの世界市場を食う」現象を、38本のラインナップで証明する場になっている。Twitchストリーマー主導の配信フォーマットは、X(旧Twitter)とSteamウィッシュリストに直結する欧米ゲーム文化そのもので、日本のTGS的な「メーカー発表会」とは流通構造が根本的に異なる。日本のRPGメーカーは、Clair Obscurが切り開いた市場に対して「JRPG原典としての強み」をどう再定義するか、答えを求められる段階に入った。少なくともこの4日間、世界のRPG勢力図が書き換わる可能性のある配信がリアルタイムで進行している。