【サウジアラビア】ジェッダの日本祭り「トモダチ」に日本人アーティスト約50組が初参加。入場料600円に若者が詰めかけた

3行サマリー
- 7月2日から4日までの3日間、サウジアラビア・ジェッダの国際展示会議センターで日本文化祭「トモダチ」が開かれ、日本人アーティスト約50組が初めて現地入りした
- 入場料は15サウジリヤル(約600円)。ステージ公演のほか書道の実演、マンガ・アニメのアート展示、日本食の屋台が並び、コスプレ姿の若者と家族連れが同じ会場に集まった
- 出演したアイドルグループNANIMONOの和田あずさは1週間ジェッダに滞在。「日本のポップカルチャーを現地のファンと共有できた」と現地紙アラブニュースに語った
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ジェッダで7月2日から3日間、日本人アーティスト約50組が出演する「トモダチ」が開かれた
サウジアラビア第2の都市ジェッダで、7月2日から4日にかけて日本文化の祭典「トモダチ」が開催された。会場はジェッダ国際展示会議センター。主催者によると、今回初めてサウジアラビアを訪れた日本人アーティスト約50組が出演し、ステージ公演、書道の実演、マンガ・アニメのアート展示、茶道や工芸のワークショップ、日本食の屋台までが一つの会場に詰め込まれた。名前の「トモダチ」はそのまま日本語の「友達」。政府系の大型イベントではなく、民間の主催者が仕掛けた祭りに50組が渡航した点が、これまでのサウジ×日本コンテンツの動きと毛色が違う。
アラブニュースの取材に主催者「私たちは何よりもまず友達だ」
元ネタ:Tomodachi festival brings spirit of Japan to Saudi Arabia(Arab News / 2026年7月3日)
“We called it Tomodachi which is a Japanese word meaning ‘friends’ because we believe that we are friends before anything else,” Turkistani said.
(「トモダチと名付けたのは、私たちは何よりもまず友達だと信じているからです」とトルキスタニ氏は語った)
主催者のバシャール・アブドルアジズ・トルキスタニ氏は、来場者が「見るだけでなく、参加して、味わって、聴いて、学べる」場を作りたかったと話す。初日から親子連れや若者が集まり、アニメキャラクターのコスプレで来場した21歳のナシル・アブドルラフマンさんは「子どもの頃から日本のアニメが大好きで、この日を待っていた」とアラブニュースに答えた。閉幕後にはジェッダ商工会議所も公式Xで祭りの終了を報告している。TikTokやInstagramには来場者のコスプレ動画や会場レポートが相次いで上がっており、現地の若い世代が自分たちのイベントとして楽しんでいる様子が見てとれる。
入場料15リヤル、約600円。コスプレの若者と家族連れが同じ会場に並んだ
チケット販売サイトのプラチナムリストによると、入場料は15サウジリヤル、日本円でおよそ600円だった。サウジのエンタメイベントは高額になりがちで、同じ会場で7月に開かれる音楽イベントは320〜379リヤル。桁が違う。この価格設定が、アニメ好きの若者だけでなく家族連れまで呼び込んだ理由のひとつだろう。会場ではFIFAのゲーム大会まで開かれていて、「日本文化の祭り」というより「日本を口実にした地元の縁日」に近い空気だったようだ。文化イベントとしては、むしろこの緩さが強い。
Linked HorizonからLiSAまで7年、サウジは日本の音楽が「呼ばれて行く」市場になった
サウジアラビアと日本の音楽の接点は、ここ7年で急速に増えた。2019年の「サウジアニメエキスポ」でLinked Horizonが日本人アーティストとして初めて現地ライブを行い、2022年にはジェッダ・シーズンの「アニメビレッジ」にJAM ProjectやFLOWが出演。同年末にはリヤドでソニー・ミュージック系レーベルSACRA MUSICの所属アーティスト11組が毎週ライブを行う「SACRA MUSIC MONTH」も開かれた。2025年の大阪・関西万博ではサウジ館のナショナルデーコンサートにLiSAが招かれている。ただ、これらはいずれも政府のシーズン事業や国家級イベントの枠組みだった。今回は民間の祭りが、大物ではなく中堅・インディーズを含む約50組をまとめて受け入れた。日本の中堅アイドルやアニソン歌手にとって、湾岸は「営業をかける先」から「呼ばれて行く先」に変わりつつある。国内のライブアイドル市場が頭打ちと言われて久しいなか、渡航費を持ってくれる新しい現場が中東に生まれているわけだ。
国家イベント頼みだった日本コンテンツ、民間の祭りで50組を吸収する段階へ
サウジの日本ブームはこれまで、政府マネーで大物を呼ぶ話として語られてきた。今回のトモダチは逆で、入場料600円の草の根イベントが50組の日本人アーティストを吸収した。裾野が広がった、というのが今回のニュースの中身だと思う。次にサウジで日本の音楽イベントの話が出たとき、見るべきは出演者の知名度ではなく、主催が政府か民間か。そこがこの市場の成熟度を測る物差しになる。
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