2026年9月22日 海外メディアとファンの愛を、脚色なしで日本語に @VelleityNote
Home/ゲーム/クレイジータクシー:ワールドツアー/【世界】セガ『クレイジータクシー』3番目の新マップは日本。一蘭・かに道楽が実名、開発者は「海外が思い描く日本」を意識

【世界】セガ『クレイジータクシー』3番目の新マップは日本。一蘭・かに道楽が実名、開発者は「海外が思い描く日本」を意識

編集部
Velleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight
公開
最終更新
現地の一次ソースで確認 約7分で読めます
【世界】セガ『クレイジータクシー』3番目の新マップは日本。一蘭・かに道楽が実名、開発者は「海外が思い描く日本」を意識

3行サマリー

  • セガは2026年9月17日、東京ゲームショウ2026のXboxライブストリームで『クレイジータクシー:ワールドツアー』の新マップ「日本」を公開しました。全5マップのストーリーキャンペーンで3番目にあたります。
  • 渋谷スクランブル交差点・東京タワー・東京スカイツリー・富士山が一つのマップに同居し、公式資料には一蘭、かに道楽、SHIBUYA109の3社が実名で記載されています。
  • シリーズクリエイターの菅野顕二氏は4Gamerの取材に「海外の方が思い描く日本のイメージも意識して作っています」と説明しました。発売は2027年予定で、価格とCEROレーティングは今回も出ていません。

Seriesクレイジータクシー:ワールドツアー全4本

セガが2027年に発売するシリーズ完全新作『クレイジータクシー:ワールドツアー』の情報公開を追う連載。

  1. 2026/8/26【ドイツ】セガ『クレイジータクシー』新作、初のオンライン対戦を公開。日本の先行テストは9月12日から、Switch 2は対象外
  2. 2026/9/11【世界】セガ『クレイジータクシー:ワールドツアー』の先行テスト、対象26地域の14はアジア。言語は日本語と英語の2つだけ
  3. 2026/9/14【世界】セガ『クレイジータクシー』の先行テストが48時間で終了。実況動画の本数は日英ほぼ同じで、再生数は日本語が1.9倍
  4. 2026/9/20【世界】セガ『クレイジータクシー』3番目の新マップは日本。一蘭・かに道楽が実名、開発者は「海外が思い描く日本」を意識(この記事)

セガ、東京ゲームショウ2026で『クレイジータクシー』の新マップに「日本」を発表

セガは2026年9月17日、東京ゲームショウ2026の会期中に配信されたXboxのライブストリームで、開発中の『クレイジータクシー:ワールドツアー』に新マップ「日本」を追加すると発表しました。あわせて日本マップのトレーラーも公開されています。セガによれば、このトレーラーは旅行のガイド映像になぞらえた見せ方だそうです。

日本マップは、1人用のストーリーキャンペーン「World Tour」を構成する全5マップのうち3番目にあたります。すでに公開されているのは1番目のウェストコースト(アメリカ)と2番目のドイツで、残る2つは明らかにされていません。発売は2027年の予定。対応機種はXbox Series X|S、Xbox on PC、Steam、PlayStation 5、Nintendo Switch 2の5つですが、価格とCEROレーティングは今回の発表でも示されませんでした。

セガ公式発表とファミ通の試遊レポート、どちらも実在店舗を名指しで挙げている

出典Crazy Taxi: World Tour Zooms to Japan With New Map and Trailer(SEGA公式プレスルーム / 2026年9月17日)

出典『クレイジータクシー:ワールドツアー』日本マップには渋谷109や一蘭が実名で登場、付近には浅草っぽいエリアも(ファミ通 / 2026年9月18日)

burn rubber as they tear through expressways winding between towering skyscrapers

セガの英語版プレスリリースは、日本マップの要素として渋谷スクランブル交差点、東京タワー、東京スカイツリー、富士山を挙げています。高層ビルの間を縫う高速道路を駆け抜ける、という一文が添えられていました。目的地となる実在の店舗として名前が載ったのは、ICHIRAN(一蘭)、Kani Doraku(かに道楽)、SHIBUYA109の3つです。

東京ゲームショウの会場で試遊したファミ通は、公式資料にない店舗も確認しています。同誌によると、マップ上にはSHIBUYA109渋谷店、一蘭、カレーハウスCoCo壱番屋、そしてセガのゲームセンターが実名で置かれていました。中心となるのは渋谷のスクランブル交差点付近。左下には寺の建物と商店街からなる「浅草っぽいエリア」があり、首都高をモチーフにした高架とアリーナのエリアも用意されているそうです。試遊版で遊べたのは日本マップだけでしたが、時間制限のない自由探索も選べたと報告されています。同誌の記者はこの日本を、厳密な再現よりも遊びの気持ちよさを重視していると評しました。

菅野顕二氏「海外の方が思い描く日本のイメージも意識して作っています」

この日本マップがどう設計されたのかは、4Gamerが東京ゲームショウ会場で行ったインタビューではっきり語られています。答えているのは、ディレクターの百渓曜氏とシリーズクリエイターの菅野顕二氏です。

菅野氏は日本マップについて、「海外の方が思い描く日本のイメージも意識して作っています」と述べています。渋谷、浅草、レインボーブリッジ、富士山が同時に視界へ入る構図は偶然ではありません。地理の正確さより「日本らしさ」を一つの画面に凝縮することを優先した結果だということです。実在の企業名を出した理由についても、菅野氏は「ハチャメチャなプレイをしていても、どこかに現実味を感じてほしい」と説明しています。

インタビューでは、英語版の声優が日本の店名の発音に苦労したというエピソードも紹介されていました。ここは読んでいて少しおかしかったところです。発売時期は「2027年内」のままで、具体的な日付までは示されていません。

出典『クレイジータクシー:ワールドツアー』開発者インタビュー(4Gamer / 2026年9月18日)

確認できた範囲で日英23媒体、見出しに選ばれたのはどちらも実在店の名前だった

この発表がどう報じられたのかを、2026年9月20日の朝に検索して確かめました。英語の媒体ではSEGAbits、Push Square、Noisy Pixel、MonsterVine、God is a Geek、Twisted Voxel、Gaming Ageなど13件。日本語ではファミ通、4Gamer、GAME Watch、リアルサウンド、AppBankなど10件が確認できました。あくまで検索で拾えた範囲の件数であり、網羅的に数えたものではありません。

それでも、一つはっきりしたことがあります。日本語と英語で、見出しに置かれた要素が一致していました。MonsterVineの見出しは「Crazy Taxi: World Tour Reveals Japan Map With Ichiran, Kani Doraku and Shibuya109」。ファミ通の見出しは「日本マップには渋谷109や一蘭が実名で登場」。東京タワーでも富士山でもスカイツリーでもなく、ラーメン店とカニ料理店とファッションビルの名前が、両方の言語で先に来ています。

ランドマークは、どの国のプレイヤーにとっても「日本の絵」として予想がつくものです。一方で一蘭やかに道楽は、実際に日本を歩いたか、日本のコンテンツを追っていないと意味が取れない固有名詞でしょう。その差分こそがニュースだと、日英の編集者が同時に判断したことになります。ここが個人的にいちばん面白いと感じた点でした。

日本のスタジオが、輸出用の「日本」を設計する側に回った

海外で作られた日本ステージが、実在しない看板や不正確な地理で日本のプレイヤーから指摘される。その構図はこれまで何度も繰り返されてきました。今回は逆の立場です。日本のスタジオが、海外のプレイヤーが期待する日本像を先回りして設計し、そのうえで実在企業の許諾を取りにいっています。渋谷と浅草と富士山を同じ視界に入れる判断は、日本に住んでいる感覚では明らかに誇張です。ただし菅野氏の説明を読む限り、それは作り手が織り込み済みの誇張なのだと受け止めました。

もっとも、手放しで歓迎できる話ばかりではありません。実在企業を名前で出すという設計は、ゲーム内の風景がそのまま各社の露出枠になるということでもあります。どこまでが表現でどこからが商業的な取り決めなのか、外からは見分けがつきません。加えて、作り手が「海外から見た日本」を精度高く再現するほど、その縮図のほうが日本の標準像として世界に定着していきます。誇張だと分かって作っている側と、それを初めて見る海外のプレイヤーとでは、受け取り方がそろわない可能性は残ります。

『クレイジータクシー:ワールドツアー』をめぐっては、9月に実施された先行テスト(クローズドネットワークテスト)の時点でも、日本語と英語の扱いが論点になっていました。対象26地域のうち14がアジアで、用意された言語は日本語と英語の2つだけ、という構成です(先行テストの対象地域についてはこちら)。テスト終了後に実況動画を数えたところ、本数は日英でほぼ同じ、再生数は日本語側が1.9倍という結果も出ました(実況動画の日英比較はこちら)。初のオンライン対戦が公開されたgamescomの時点から数えても、この作品は一貫して日本市場と海外市場の両方を同時に見ています(マルチプレイ公開時の記事はこちら)。

日本マップは、その姿勢がいちばん分かりやすく出た部分でしょう。国内向けに作った日本を海外へ出すのではなく、海外から見た日本を国内のスタジオが組み立てて、それを日本のプレイヤーにも同時に売る。東京ゲームショウという場所で発表されたことも含めて、順番が入れ替わっています。

残る2マップと、2027年へ持ち越された価格とCEROレーティング

現時点で分かっているのは、全5マップのうち3つ(ウェストコースト、ドイツ、日本)までです。残る2マップがどの国や地域になるかは発表されていません。日本が3番目に置かれたことを踏まえると、残り2つの選び方にも同じ「どこから見た風景か」という設計思想が出るはずで、そこを確かめたいと思っています。

発売は2027年予定のまま、具体的な日付、価格、CEROレーティングはいずれも未定です。なお今年の東京ゲームショウは9月17日から21日までの会期でしたが、最終日の9月21日は台風25号の接近により開催が中止されました。

日本マップの試遊は、幕張メッセ4ホールのセガブース(N01)で提供されていました。ハンドルコントローラーを備えたアーケード筐体風の試遊台と、劇中車の実寸大レプリカによる撮影スポットが置かれた一角です。9月17日と9月19日にはステージイベントも行われ、いずれにも菅野顕二氏と百渓曜氏が登壇しています。

編集部
Velleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight

日本のアニメ・ゲーム・音楽・カルチャーが海外でどう受け止められたかを、賛否そのままに、現地語の一次ソースで確かめてから日本語にしています。褒めるだけの国内報道とは違う角度で。続報があれば更新日を明記して追記します。