2026年8月25日 海外メディアとファンの愛を、脚色なしで日本語に @VelleityNote
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【韓国】フォロワー216万人の日本人インフルエンサー、ATEEZの振付動画でつり目ポーズ。削除後の投稿でさらに批判

編集部
吉沢まことVelleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight
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3行サマリー

  • 日本のインフルエンサー、がみくす(Gamix・Instagramのフォロワー約216万人)が8月20日、ATEEZ サンの「BAD」チャレンジ動画の途中で、両手の指を目尻に当てて横に引っ張りました。
  • まねていたのは、サンが8月9日のクーパンプレイシリーズの始球式で見せた振付です。同じサッカーユニフォームまで着ていました。
  • 動画は謝罪のないまま削除。韓国メディア各社が一斉に報じましたが、日本語版の見出しでは「つり目ポーズ」「つり目ジェスチャー」と訳語が割れています。

がみくす、ATEEZ サンの始球式ダンスを再現する動画の途中で目尻を引っ張った

日本のインフルエンサー、がみくす(Gamix)が8月20日、自身のSNSにATEEZ サンの「BAD」ダンスチャレンジをまねた動画を投稿しました。画面の下にサンの写真を置き、表情と振付をなぞっていく構成です。その途中で、がみくすは両手の指で自分の目尻を左右に引っ張るしぐさをしました。

韓国では、この動作は「눈찢기(ヌンチッキ/目を引き裂く)」と呼ばれます。東アジア人の顔立ちをからかうために使われてきた人種差別的なしぐさとして、名前まで付いて定着している表現です。がみくす自身も東アジア人である日本人だという点が、韓国側の反発をさらに大きくしました。

批判が広がると、がみくすは謝罪や説明を出さないまま動画を削除しています。ヘラルド経済とニューシスは、その後にがみくすが自分のむくんだ目を指して「これがアジア人の目だ」「毎朝、目が開かない」と話す別の動画を投稿し、これも削除されたと報じています。2007年生まれのがみくすは、サッカーを軸にしたコンテンツで知られる作り手です。

2026年8月24日午前(日本時間)の時点で、本人からATEEZ サン側に向けた謝罪や、行為についての説明は確認できていません。

テンアシア:まねたのは8月9日のクーパンプレイシリーズ、ユニフォームまで同じだった

出典에이티즈 최산, 일본인에 인종차별 조롱당했다…'BAD' 챌린지하다 돌연 '눈찢기'(ヘラルド経済 / 2026-08-21)

出典에이티즈 최산, 인종차별 당했다…日 유튜버 '눈찢기' 조롱(テンアシア / 2026-08-21)

문제가 된 눈꼬리를 양옆으로 잡아당기는 동작은 아시아인의 외모를 희화화할 때 사용돼 온 대표적인 인종차별적 제스처다.(問題になった目尻を左右に引っ張る動作は、アジア人の外見を戯画化するときに使われてきた代表的な人種差別的ジェスチャーだ)

テンアシアは、がみくすがまねた場面を特定しています。サンは8月9日に開かれた「2026 クーパンプレイシリーズ」のマンチェスター・シティ対アトレティコ・マドリード戦で始球式に立ち、ピッチの上で「BAD」の振付の一部を披露しました。がみくすはそのときサンが着ていたものと同じユニフォームまで用意して、あの場面を再現していたことになります。

「BAD」はATEEZが6月に出したミニアルバム『GOLDEN HOUR : Part.5』のタイトル曲です。テンアシアによれば、メロンのTOP100で最高8位、週間チャートで10位に入り、アルバムは米ビルボードのメインアルバムチャート「ビルボード200」で1位を取りました。数秒の振付が韓国で広く模倣されていった経緯は、TWICEのモモが踊った動画が571万回再生された7月の時点でも書いています。

サッカーの世界では制裁の対象。6月のワールドカップではFIFAが観客を入場禁止にした

この動作が今回これほど強い反応を呼んだのは、がみくすの主戦場がサッカーだからです。ヘラルド経済は、2026年6月の北中米ワールドカップ、韓国対チェコ戦で観客の一人が同じ動作をして国際的な批判を受け、FIFAがその人物のスタジアム入場を禁止した例を挙げています。そのうえで、サッカー関連のコンテンツを主力にしている作り手が、この動作の意味と重さを知らなかったとは考えにくいという指摘が出ていると伝えました。

がみくす自身、北中米ワールドカップのブラジル対日本戦をブラジル人サポーターに囲まれて観戦し、日本の敗戦に号泣する動画で注目を集めた人です。サッカーの現場で何が制裁の対象になっているかを、遠くから眺めていた立場ではありません。

韓国の受け止めは「同じ東アジア人が、なぜ」に集中している

韓国側の反応は、差別そのものへの怒りと同じくらい、「同じアジア人がやった」という戸惑いに向いています。

まず、記名記事として出ているものから。ヘラルド経済の金成勲(キム・ソンフン)記者は、がみくすがサッカー中心のインフルエンサーである点を挙げ、動作の意味と敏感さを知らなかったはずがないという見方が出ていると書いています。媒体の署名記事なので、発信者の身元がはっきりしている声です。

香港のサウスチャイナ・モーニング・ポストも8月21日に報じました。同紙は、このしぐさが東アジア人の外見をあざけるものとして広く認識されていること、そして韓国のオンラインコミュニティでは、謝罪せずにやり過ごそうとしているのではないかという声が出ていることを伝えています。

個々の匿名投稿は事実の根拠になりませんが、傾向としては、ヘラルド経済が拾った「同じ東洋人同士で、ああいう行動をするのが理解できない」という受け止めが目立ちます。相手が欧米人ではなく日本人だったことが、この件を単純な「海外の差別事件」の枠から外しました。

韓国語の「눈찢기」に、日本語の定訳がない

日本の読者にとって効いてくるのは、ここだと思います。韓国語には「눈찢기」という一語があり、韓国メディアはこれを説明抜きで見出しに置けます。読者が語の意味も、それが差別に当たることも共有しているからです。

ところが日本語版に移すと、訳語が割れました。中央日報日本語版は「つり目ポーズ」、朝鮮日報日本語版は「つり目」ジェスチャーと訳しています(いずれも8月21日以降に配信された日本語版記事の見出しで確認しました)。どちらも動作の形は伝えますが、「これは差別表現である」という含みは語そのものには入っていません。日本語には、この動作を名指しで差別だと指す定着した言い方が、まだないということです。

名前のない行為は、悪意があったかどうかで判断されがちです。「ふざけただけ」「知らなかった」が通ってしまう余地が、日本語の側には残っています。今回の件で韓国側が求めているのは、意図の説明ではなく、その動作が何を指すのかを知ったうえでの謝罪でした。すれ違いの原因の一つは、この語彙の差にあります。

削除で終わりにできるかどうかの線引きが、韓国と日本でずれている

この件は、K-POPのチャレンジ動画という軽い入口から始まりました。振付をまねること自体は、サンが始球式で見せた場面が世界中で再生された時点で、誰にでも開かれていた遊びです。そこに一つのしぐさが混ざった瞬間に、遊びの外へ出てしまいました。

投稿を消せば終わると考えた対応が二度目の批判を呼んだ経緯は、そのまま線引きのずれを示しています。韓国では名前の付いた差別表現で、日本では訳語すら定まっていない。同じ動画が国境をまたぐ速さに、言葉の側が追いついていないのだと受け止めました。

編集部
吉沢まこと
Velleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight

日本のアニメ・ゲーム・音楽・カルチャーが海外でどう受け止められたかを、賛否そのままに、現地語の一次ソースで確かめてから日本語にしています。褒めるだけの国内報道とは違う角度で。続報があれば更新日を明記して追記します。