📊 3行サマリー
- 累計閲覧5億回超の韓国ウェブトゥーン『盗掘王』が、韓国スタジオ制作のテレビアニメとして7月8日深夜にフジテレビ「B8station」ほかで放送開始。
- 日本語吹替は細谷佳正・早見沙織・諏訪部順一・甲斐田裕子。主人公ら一部のキャラ名は韓国名から日本名へローカライズされた。
- 原作は日本ではピッコマ独占で配信され2023年に完結済み。日本のスタジオが韓国作品をアニメ化する従来の流れと逆に、韓国が作って日本へ送る形になっている。
📝 韓国ウェブトゥーン『盗掘王』、韓国スタジオ制作のアニメが7月8日深夜にフジテレビで放送開始
韓国の人気ウェブトゥーン『盗掘王(とうくつおう)』が、テレビアニメになって2026年7月に日本へやってくる。KADOKAWAの発表によると、放送はフジテレビの深夜アニメ枠「B8station」ほかで7月8日深夜(7月9日未明)スタート、関西テレビでも流れる。6月13日には東京・サイエンスホールで第1〜2話のワールドプレミア上映が先に行われた。
ポイントは、これが日本のスタジオではなく韓国のスタジオ「STUDIO EEK(スタジオ・イク)」が手がけた韓国制作のアニメだということ。監督はウ・スンウク。STUDIO EEKは長編『リーフィ ある雌鶏の冒険(マダンを出ためんどり)』や子ども向けの『新妖怪アパート』シリーズで知られる老舗で、韓国コンテンツ振興院の2024年のIP活用アニメ制作支援事業にも選ばれている。
📰 元ネタ:KADOKAWA発表「累計5億回のヒット作を日本語吹替でフジテレビ系へ」
元ネタ:<盗掘王>人気ウェブトゥーンがテレビアニメ化 フジテレビで7月放送(MANTANWEB / 2026年6月13日)。あわせてAnime News Network(2026年1月16日)も制作スタッフを報じている。
人気ウェブトゥーンが原作のテレビアニメ「盗掘王」が、フジテレビの「B8station」ほかで7月8日に放送される。
原作はSAN.G(サンジ直送)のウェブ小説をもとに、3B2SとYuns(REDICE STUDIO)がウェブトゥーン化した異能力アクション。世界各地に突然あらわれた「墓」と、そこに眠る「遺物」が持ち主に超常の力を与える――という設定の、回帰(タイムスリップ)×復讐ものだ。盗掘で食いつなぐ主人公が、雇い主の裏切りで死にかけた瞬間に「カラスの遺物」の声を聞き、15年前へ巻き戻る。未来の記憶を武器に成り上がる、いわゆる「俺TUEEE」系の王道である。
🔥 ピッコマ独占で完結済み——日本に”土壌”があるIPを韓国スタジオが映像化した
『盗掘王』は日本ではピッコマで独占配信され、2023年6月に本編が完結している。グローバルの累計閲覧数は5億回を超え、紙のコミックスもイズプレスから刊行が続く。つまり今回のアニメは、日本にすでに読者がいる作品の映像化であって、ゼロからの売り込みではない。
制作のYuns=REDICE STUDIOは、日本でも社会現象になった『俺だけレベルアップな件(ソロ・レベリング)』のウェブトゥーンを手がけたスタジオだ。韓国発のなろう系・回帰系ウェブトゥーンが日本のアニメファンに刺さる流れは、すでにソロ・レベリングや『俺だけレベルアップ』勢で証明されている。『盗掘王』はその延長線上にある一本と見ていい。
🎙️ 細谷佳正・早見沙織・諏訪部順一が出演。韓国名を日本名に変え、QWERが日本語主題歌で初タイアップ
日本語吹替のキャストが豪華だ。主人公ソ・ジュホンには、日本向けに「剛力遼河(ごうりき・りょうが)」という名前が与えられ、『進撃の巨人』『鬼滅の刃』の細谷佳正が演じる。ヒロインのアイリーン・ホルトン役は『SPY×FAMILY』ヨル役の早見沙織。主人公を裏切る雇い主クォン・テジュンは「大川原泰世」に改名され、諏訪部順一が当てる。さらにキイラ・クラーク役で甲斐田裕子も加わった。
韓国名をそのまま使わず日本名に置き換える判断は、日本の視聴者に届きやすくするためのローカライズだ。原作ファンの間では好みが分かれそうな部分でもあるが、地上波で広く観てもらうことを優先した形になっている。吹替の翻訳は福留友子、音響監督は小泉キスケが務める。
主題歌は韓国のガールズバンドQWER。オープニング「SHOW DOWN」とエンディング「To Be Continued」の両方を担当し、これがQWERにとって初のアニメタイアップになる。日本語詞バージョンも用意され、韓国制作・韓国アーティスト・日本語歌詞という組み合わせが作品の性格をよく表している。
🇯🇵 日本視点:webtoonアニメが「日本が作る」から「韓国が作って日本へ送る」段階に入った
ここ数年、韓国ウェブトゥーンのアニメ化は基本的に日本のスタジオが請け負ってきた。『エレキシード』『俺だけレベルアップな件』『鉄槌教師』も、作画や放送の主導権は日本側にあった。それに対して『盗掘王』は、韓国のスタジオが完成させたアニメを、日本のフジテレビが買って深夜枠で流すという逆向きの構図になっている。原作・制作・主題歌まで韓国側で固め、声と名前だけを日本仕様にして輸出する、と言い換えてもいい。
韓国にとっては「原作の供給国」から「映像の制作国」へ一歩進む試みであり、日本の視聴者にとっては、韓国スタジオの作画力が日本の深夜アニメの目に直接さらされる機会になる。出来栄えがどう受け止められるかは、7月以降の反応を待つしかない。韓国ではアニメ専門局AniPlusとLaftelで、日本より1日早い7月9日に配信される点も、制作国が韓国であることを物語っている。
🏁 7月の出来栄えが、韓国産アニメの「対日輸出モデル」を占う
『盗掘王』は、累計5億回というすでにある人気と、日本のトップ声優陣、そしてK-POPバンドの主題歌という、当てにいくための材料をひと通りそろえてきた。注目したいのは作品単体のヒットだけでなく、韓国スタジオ制作のアニメが日本の地上波でどこまで通用するか、という一段上の問いのほうだ。ここで手応えが出れば、韓国ウェブトゥーンのアニメ化は「日本に作ってもらう」から「自分たちで作って日本に売る」へと、本格的に舵を切ることになる。7月8日深夜、その第一歩がフジテレビで始まる。


