2023年7月にUA版のGoogleアナリティクスが終了し、GA4に移行することで「直帰率」が計測されなくなります。
いままで直帰率の参考にしてきた方はどうすればよいのでしょうか?

直帰率とはなんですか?

ウェブサイトを訪れたユーザーが、最初の1ページの閲覧(1PV)しかしなかったセッション数を全体のセッション数で割った値のことです。
1セッションに1PVしか発生しなかったセッションを直帰したとみなしています。
ページに書かれている事が魅力的であれば、他のページも見てみようとなったり、購入ページや予約ページへ移動したりとPV数が増えるはず。
ユーザーが1ページしか見なかったということは、そのページ(webサイト)がユーザーにとって魅力的ではなかったのでは?という仮説が成り立ちます。

つまり、ひとりのユーザーが1回のセッションでいろんなページを閲覧して回るWebサイトのほうが優れている価値観から測定されていた数値といえます。

ユーザーの満足度って本当に直帰率で測れるんですか?

カスタマージャーニー全体の「Webサイトをみているとき」だけの満足度の仮説を立てる材料にしかなりません。

たとえばWebページ1ページに書かれている商品説明がとても優れていて、そのままアマゾンで購入してくれたユーザーがいたとしたらどうでしょうか。
購入までしてくれているのでユーザーの満足度の高さが予想できます。
ですが従来のUAのアナリティクスでは1セッションで1ページだけ見てアマゾンのサイトやショッピングアプリに遷移してしまうので、このようなユーザーが増えると直帰率が高くなります。
この場合は直帰率ではない違う指標で判断する必要があるはずです。

ユーチューバーさんだったらブログの1セッション1PVだけでも、「チャンネル登録」や「他の動画の再生」にしっかり繋がっていれば直帰率の高さなんてまったく気にならないはずです。
独自アプリを開発している方なら、Webサイトの1セッション1PVから、アプリの起動→アプリ内課金につながっているならば直帰率なんて関係ない。

つまりコンバージョンポイントがWebサイト以外であるケースがこれから先どんどん増えていけばいくほど、「直帰率」という指標を大切にする意味がなくなります。

なぜGA4では「直帰率」がなくなったんですか?

それはGoogleアナリティクスが「Webサイトの閲覧」だけでなくアプリや動画の視聴の分析も行えるように進化したからです。
ゲームアプリの中で何回ゲームをプレイして課金アイテムを購入したか、チャットアプリで何人とどれだけチャットしてスタンプを購入したかという行動の分析するとき、セッションやPVという指標だけではできません。
GoogleアナリティクスはGA4になって、Googleシグナル・デバイスID・UserIDなどで紐付けたユーザーの行動を、Webサイト用のデータストリーム・iOSアプリ用のデータストリーム・アンドロイド用のデータストリームなど複数のデータストリームで俯瞰して分析できるようになりました。
その流れで、Webサイトでしか意味がない「直帰率」という数値の価値がなくなったといえます。

でもWebサイトの運営しかしていない人(私もそうです)は、いままでどおり直帰率に価値を感じていると思います。
そういう人たちはなにを指標にすればいいんでしょうか。

直帰率のかわりになりそうな指標はありますか?

直帰率のかわりになりそうな指標の1つが「エンゲージメント」です。

エンゲージメント: 定義
サイトやアプリに対するユーザーの操作です。
例:
コンテンツ配信者の場合は、ページを下方向にゆっくりスクロールするといった操作がエンゲージメントになります。ユーザーが記事の長さを確認するためではなく、内容を読むためにスクロールしていることを示すエンゲージメントです。
e コマースサイトの場合は、商品の詳細ページを閲覧する、特定のページに一定時間留まるといった操作がエンゲージメントになります。
オンライン バンキング アプリの場合は、口座の残高確認などです。
大学のサイトの場合は、情報動画の視聴などがエンゲージメントになります。
引用元:Googleアナリティクスヘルプ

ユーザーがWebページに対して、ボタンクリックやスクロールなどの価値ある操作をしたかしなかったかという指標が、直帰率のかわりになりそうです。

エンゲージメントはどうやって確認するのですか?

GA4の画面から 「ライフサイクル>集客>トラフィック獲得」にすすむと、Webサイト全体のユーザー数、セッション数、エンゲージのあったセッション数を確認できます。

上の画像では、期間中のユーザー数が「58,496」でセッション数が「67,909」。
そのうちエンゲージのあったセッション数が「41,350」ということはエンゲージのなかったセッション数が「26,559」あったと読み取れます。

ページ毎のエンゲージメントを確認するにはレポートをカスタマイズすると便利です。
カスタマイズ方法は、また別の記事で紹介したいと思います。