【フランス】パリJapan Expo 25周年、日本ゲームが主役に。アトラス『ペルソナ』30周年展とカプコン『スト6』記念トーナメント開催

3行サマリー
- 欧州最大の日本文化イベント「Japan Expo」が25周年。2026年は7月9〜12日にパリ郊外ヴィルパントで開催され、ゲームが中核テーマに据えられた。
- 目玉はアトラス『ペルソナ』の30周年展(120平方メートル)、スクウェア・エニックスの新作『ファイナルファンタジー レゾナンス』初披露、カプコン『ストリートファイター6』の25周年記念トーナメント。
- 来場は例年約23万人規模、2023年は過去最多の25万5千人超。日本のゲーム会社にとって、欧州で自社IPの受容度を測る最大級の試験場になっている。
Japan Expoが7月9〜12日に25周年、日本ゲームを主役級に格上げ
フランスの首都パリで毎年開かれる「Japan Expo」が、2026年で25周年を迎える。会期は7月9日から12日まで、会場はパリ北郊のパリ・ノール・ヴィルパント展示場だ。今年の特徴は、アニメや漫画と並ぶ柱として「ゲーム」を前面に出したこと。会場内の「ゲーミング・アリーナ」を拡張し、日本のゲームメーカーの新作披露と、レトロ作品の保存展示、そして競技イベントを一つのフロアに束ねた。
フランスは欧州で最大のマンガ市場を持ち、Japan Expoは来場者数でも欧州随一の日本文化イベントだ。その25回目の節目で、運営が日本のゲームIPを目玉に選んだ意味は小さくない。
Direct-Actu報道:「ゲームはもう画面の中だけのものではない」
元ネタ:Japan Expo 2026 célèbre le jeu vidéo entre avant-premières, patrimoine et communautés(Direct-Actu / 2026年7月1日)
Entre découverte de la Nintendo Switch 2, avant-premières jouables et rencontres avec des comédiens de doublage, la programmation souligne que le jeu vidéo ne se résume plus à un écran.
(訳:Nintendo Switch 2の体験、試遊できる先行版、声優との交流。プログラムは、ゲームがもう画面の中だけで完結するものではないと物語っている。)
アトラス『ペルソナ』の生みの3人が来仏、スクエニと格ゲー勢も集結
今年のゲーム展示は、日本発の大型シリーズが軸になっている。最大の呼び物のひとつが、アトラスの『ペルソナ』シリーズ30周年の記念展だ。120平方メートルの空間で、初期作『女神異聞録ペルソナ』から近作までの絵作りと物語の変化をたどれる構成になっている。
さらにセガとアトラスは、リメイク新作『ペルソナ4 リバイバル』の中心スタッフ3人をゲストとして招いた。キャラクターデザインなどを手がけてきた面々が7月9〜10日に登壇し、ライブドローイングやトークセッション、サイン会でフランスのファンと直接対面する。新作を日本より先に海外の観客へ見せる場として、Japan Expoが選ばれた形だ。
スクウェア・エニックスも参加し、『ファイナルファンタジー レゾナンス』を披露する。シリーズで初めて全面的にHD-2D(ドット絵と3D表現を混ぜた画作り)を採用した作品で、かつて技術的な制約でしかなかったピクセルアートを、今はあえて選ぶ表現として前に出している。ここは賛否が分かれそうな挑戦だ。Cygamesは『グランブルーファンタジー リリンク エンドレスラグナロク』をPS5とNintendo Switch 2で試遊出展し、公式の声優陣が初めてフランスに渡る。
欧州最大25万人規模の祭典で、日本ゲームIPが観光資源になった
日本のゲームファンから見て面白いのは、これが単なる「海外の即売会」ではない点だ。Japan Expoの来場は例年おおむね23万人規模で、2019年に25万2千人、2023年には過去最多の25万5千人超を記録している。この規模の観客が、日本のゲーム会社にとっては新作の反応を海外で先に測れる巨大なテストマーケットになる。
実際、『ペルソナ4 リバイバル』のスタッフ来仏や、グランブルーの声優が初めてフランスへ渡るという事実は、メーカー側が欧州の需要を無視できなくなっていることの表れだ。日本国内では「海外人気」という言葉がふわっと語られがちだが、25周年のJapan Expoは、その人気を来場者数と展示規模という具体的な数字に落とし込んで見せてくれる。日本のプレイヤーにとっては、自分が遊んでいるシリーズが海の向こうでどれだけの熱量を持って迎えられているかを、数字で確認できる機会になる。
日本のゲーム会社にとってJapan Expoは「輸出の実験場」になりつつある
25周年のJapan Expoは、日本ゲームの過去と現在を同じ会場に並べた。アトラス『ペルソナ』の30年、カプコン『ストリートファイター6』の25周年記念トーナメント(決勝は16人が競技ステージで対戦)、そしてMO5協会によるセガ『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』35周年の実機展示。新作の先行披露から名作の保存まで、日本のゲームがフランスで一種の文化遺産として扱われ始めている。日本のメーカーにとってJapan Expoは、単発の宣伝の場から、海外市場での受容を年に一度測る「輸出の実験場」に変わりつつある。パリでケンシロウやペルソナが本気で迎えられている光景は、日本のゲームが文化として海を渡り切ったことの、いちばん分かりやすい証拠だと思う。
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