2026年10月6日 海外メディアとファンの愛を、脚色なしで日本語に @VelleityNote
Home/音楽・カルチャー/BABYMETAL 北米ツアー2026/【アメリカ】BABYMETAL、北米20公演が10月3日Aftershockで完結。現地レビューが記録した客席は10代とベテランが混在

【アメリカ】BABYMETAL、北米20公演が10月3日Aftershockで完結。現地レビューが記録した客席は10代とベテランが混在

吉沢まこと
Velleity Note 編集長
公開
最終更新
現地の一次ソースで確認 約7分で読めます
【アメリカ】BABYMETAL、北米20公演が10月3日Aftershockで完結。現地レビューが記録した客席は10代とベテランが混在

3行サマリー

  • BABYMETALの2026年北米ツアーは8月30日のサンディエゴから10月3日のサクラメントまで20公演。LoudwireとConsequenceが同じ日程表を載せています。
  • 9月26日のオースティン公演の会場は収容14,000人のGermania Insurance Amphitheater。運営するCircuit of the Americasが公表している数字です。
  • 最終日は10月3日のAftershock Festival。このフェスは2025年に4日間で16万4,000人を集め、過去最多を記録しています。

広告

SeriesBABYMETAL 北米ツアー2026全2本

BABYMETAL の2026年北米ツアーと全米チャート実績を追う連載。

  1. 2026/6/27【アメリカ】BABYMETAL、邦楽グループ初の全米トップ10入り。特別盤を6/26発売、8月から本場で23公演ツアー
  2. 2026/9/29【アメリカ】BABYMETAL、北米20公演が10月3日Aftershockで完結。現地レビューが記録した客席は10代とベテランが混在(この記事)

BABYMETALの北米20公演、10月3日のAftershockで最終日を迎えます

BABYMETALの2026年北米ツアーは、残り3公演となりました。9月29日のアルバカーキ、10月1日のフェニックス、そして10月3日のサクラメントで終わります。最終日はカリフォルニア州サクラメントのディスカバリーパークで開かれるAftershock Festivalへの出演です。

このツアーが始まったのは8月30日のサンディエゴでした。ただし初日は単独公演ではなく、Petco ParkでのMy Chemical Romance公演に前座として出演したものです。自分たちが看板に立つ日程は9月2日のデンバー、Ball Arenaから始まりました。ここからHalestormとViolent Viraを帯同した通し公演が続いています。

Consequence報道:デンバー開幕は「過去最大の全米ツアー」

出典:BABYMETAL Kick Off 2026 North American Tour with Halestorm(Consequence / 2026年9月3日)

出典:BABYMETAL Brings Kawaii Metal To Austin!(The Heart Sounds / 2026年9月27日)

Consequenceはデンバー公演を報じた記事で、今回の日程をBABYMETALにとって過去最大の全米ツアーだと位置づけています。いっぽう、9月26日のオースティン公演を見たThe Heart Soundsのレビューは、ステージよりも客席の顔ぶれに紙幅を割いていました。この着眼点が、今回のツアーを読み解くうえで一番おもしろい材料になったと感じています。

Young fans wearing outfits inspired by BABYMETAL stood next to longtime metalheads, families, teenagers, and people who looked like they had been going to heavy shows for decades.

会場は1.4万〜2.5万人級、野外の大箱をつないで規模を作りました

今回の北米日程の特徴は、アリーナ単独公演の本数ではなく、夏フェス用の野外大箱を連ねたところにあります。インディアナ州のRuoff Music Centerは約24,790人、バージニア州のJiffy Lube Liveは約25,262人、ニュージャージー州のPNC Bank Arts Centerは約17,500人。デンバーのBall Arenaは最大約2万人規模です。前座として立った8月30日のPetco Parkにいたっては、コンサート仕様で約39,860人が入る野球場でした。

公演数については、発表当時の報道で数え方が割れていました。当サイトも6月の記事では23公演とお伝えしています。改めてLoudwireとConsequenceが載せた日程表を突き合わせたところ、どちらも同じ20公演で一致しました。この20という数には、前座出演だった8月30日のサンディエゴと、2つのフェス出演が含まれます。単独公演だけを数えるか、フェスや前座も含めるかで、各媒体の数字が17から23まで散らばった、というのが実際のところのようです。

ここで正直に書いておきたいことがあります。会場の収容人数はわかっていても、実際に何人入ったのかを示す数字は出ていません。今回のツアーについて、完売の告知も、追加公演や会場変更の発表も確認できませんでした。BillboardのBoxscoreやPollstarの興行収入データも、この日程に関しては公表されていません。つまり「大きな会場を20本回った」ことは確かでも、「その会場が埋まった」とまでは言えない状態です。規模を語るときに動員の実数がないのは、本来なら物足りない材料だと思います。

最終日のAftershock Festivalは10月1日から4日までの4日間開催で、BABYMETALは3日目の10月3日に出演します。専門サイトのNextMoshが8月18日に載せたタイムテーブルによれば、出演枠はAftershock Stageの午後7時20分。この日の大トリはPierce The Veilが務めます。このフェスは2025年に4日間で16万4,000人を動員し、Pollstarが過去最多と報じた規模を持っています。2026年の動員はまだ開催前のため、わかっていません。

オースティン14,000人の客席で、10代とベテランが同じピットに入りました

現地レビューが記録していたのは、客層が一つに定まらない光景でした。The Heart Soundsの評者は、BABYMETALを模した衣装の若いファンの隣に、長年のメタルファン、家族連れ、ティーンエイジャー、そして何十年もヘヴィな現場に通ってきたように見える人たちが並んでいた、と書いています。「典型的なBABYMETALファン」と呼べる一種類の客はいなかった、というのがこのレビューの見立てです。

同じレビューは、その混ざり方が最もはっきり出た場面としてサークルピットを挙げていました。重い曲に入った瞬間、まったく違う世代の観客が同じ場所に飛び込んでいったそうです。会場のGermania Insurance Amphitheaterは、運営元のCircuit of the Americasによれば収容14,000人。指定席6,700席に芝生席が加わる構成の野外会場です。

この「客層が割れていない」という観察は、日本から見たBABYMETAL像とずれている点が印象的でした。日本では海外人気の説明にアニメやカワイイ文化が持ち出されがちですが、オースティンの客席にいたのはアニメ由来の若年層だけではありません。Chartmetricの集計では、BABYMETALのSpotify月間リスナーは9月28日時点で約340万人あります。その規模をライブの現場に置き換えると、単一のサブカルチャー集団ではなく複数の層が重なった状態になる、ということでしょう。ただし、これは1公演のレビュー1本が記録した光景です。ツアー全体の客層がこうだったと言い切れる材料ではない点は、添えておきます。

アニメ主題歌は後から来ました。全米チャート入りは2016年、ワンパンマン3期への参加は2025年

日本のアーティストが北米で知られる経路として、いま最も太いのはアニメ主題歌からストリーミングへ流れ込むルートです。Spotifyのアニメ関連楽曲の再生は2021年から395%増え、ユーザーが作ったプレイリストは670万に達し、再生の約7割が29歳未満によるものだとMusic Business Worldwideが2024年8月に報じています。YOASOBIやAdoが数年のうちに北米のアリーナ規模まで届いた背景には、この流れがあります。

BABYMETALの順番は、これと逆になっています。全米アルバムチャートに初めて入ったのは2016年の『Metal Resistance』、2019年の『Metal Galaxy』で13位、2025年8月の『Metal Forth』で9位と、10年かけてライブと作品で段を上げてきました。アニメ作品との接点が生まれたのは、そのあとです。Anime News Networkは2025年8月23日、BABYMETALがJAM Projectとともに『ワンパンマン』第3期のオープニング曲に参加すると報じました。この件はニューヨークのアニメイベントAnime NYC 2025で明かされ、BABYMETALにとって初めてのアニメ作品とのコラボレーションだと紹介されています。Electric Bloom Webzineは、キタニタツヤとの共作曲が『地獄楽』第2期のオープニングに起用されたとも伝えています。

つまりBABYMETALは、アニメを入り口にして北米に入ったのではなく、北米で先に規模を作ってからアニメ主題歌の側に呼ばれました。日本のアーティストにとって、これはアニメ経由以外の入り口が実在することを示す事例になります。ライブの現場で10年積む道は時間がかかりますが、その代わり客層がアニメファンに限定されません。オースティンの客席の混ざり方は、その積み方の結果として読めます。取りかかりの速さで言えばアニメ主題歌のルートが圧倒的に有利ですが、10年後に何が残るかという問いには、まだどちらのルートも答えを出していません。

10月3日のAftershockが示すのは、日本のアーティストが北米で入り口を選べることです

BABYMETALの北米20公演が10月3日に終わります。この日程が残したのは、アニメ主題歌というルートを使わなくても、1.4万人から2.5万人規模の会場を連ねて北米を一周できるという実績でした。動員の実数が出ていない以上、この20公演を成功と呼ぶのは早いと思います。それでも、会場のサイズと日程の本数は動かせない事実として残ります。

2026年は日本のアーティストの海外公演が目立つ年になりました。YOASOBIは6公演の北米アリーナツアーを組み、Adoも11公演のアリーナ日程を北米で回っています。そのなかでBABYMETALの位置は少し違います。先にチャートとライブで土台を作り、アニメ側があとから寄ってきました。どちらの順番が正しいという話ではありません。ただ、北米へ出ていく日本のアーティストにとって、入り口が一つではないと分かっていることは、そのまま選択肢の数になります。BABYMETALの20公演は、それを会場の規模で示しました。

広告

吉沢まこと
Velleity Note 編集長(EIC)・エディトリアルディレクター

Webデザイナー、雑誌出版社のWebディレクター、コンテンツマーケター、Web広告プランナーを経て、現在は愛知県の業界No.1企業のインハウスのAIプロダクトマネージャー兼データサイエンティスト。Velleity Noteでは編集長としてメディアの編集方針を定めるとともに、AIとの共著で記事を制作する自動化ワークフローの設計とシステム開発を手がけている。