【フランス】ユービーアイソフト、Steam版『ヒーローズ オブ マイト&マジック3』にゲーム本体を入れ忘れる。日本でも1,380円で販売中
最終更新

3行サマリー
- ユービーアイソフトが2026年8月25日にSteamで発売した『ヒーローズ オブ マイト&マジック3』は、ダウンロードしても中身が23.49KBしかありませんでした
- 起動しても「Dummy executable」のエラーが出るだけで、翌26日に公式アカウントが修正の完了と謝罪を告知しています
- 日本のSteamでも1,380円で販売中ですが対応言語に日本語はなく、日本語で遊べるのは2027年発売予定のリメイク版からです
Steamで売られた『ヒーローズ オブ マイト&マジック3』、ダウンロードの中身は23.49KBだけだった
1999年に出た『ヒーローズ オブ マイト&マジック3』は、ターン制ストラテジーの古典として今も名前が挙がる一本です。そのオリジナル版が拡張2本(Armageddon’s Blade / The Shadow of Death)ごと、8月25日にSteamへ並びました。値段は10ドル。ところが買った人のパソコンに届いたのは、23.49KBのファイルが1つだけでした。本来なら1GB近くあるはずのゲーム本体が、まるごと抜け落ちています。起動しても出てくるのは「Dummy executable」というエラーメッセージだけ。
Steamのユーザーレビューはたちまち荒れ、PC Gamerが記事を出した時点では8割が否定的な評価だったと同誌が伝えています。その記事の一文が、この件のすべてを言い切っていました。
ユービーアイソフト公式が翌日に「問題はすでに解消した」と謝罪
出典:Ubisoft forgot to make sure the Steam release of Heroes of Might & Magic 3 included the actual game(PC Gamer / 2026年8月26日)
出典:Ubisoft apologizes for forgetting to include the actual game in new Steam release(Dexerto / 2026年8月26日)
Because Heroes of Might & Magic 3 on Steam does not come with Heroes of Might & Magic 3.
8月26日、公式アカウント @MightMagicGame が「調査したところ、問題はすでに解消しました」と告知し、あわせて謝罪しました。Dexertoは、発売からおよそ11時間後に770MBの更新が入って正しいファイルが追加されたと、プレイヤーの報告として伝えています。Steamのレビューは本稿執筆時点で「賛否両論」、61件中37件が好意的という内訳に落ち着いています。
gamescomでリメイクを発表した、その記念のシャドードロップだった
背景を追うと、雑さの理由が少し見えてきます。8月25日のgamescom Opening Night Liveで、ユービーアイソフトは『ヒーローズ・オブ・マイト・アンド・マジックIII リメイク』(2027年発売予定)を発表しました。今回のオリジナル版Steam配信は、その発表を祝う形で予告なしに出されたものです。お祝いの花火として打ち上げた結果、点検が後ろに回ったのだと受け止めています。
この配信には前段もあります。Steamでこれまで買えたのは2015年のHD版だけで、拡張2本もランダムマップ生成も入っていないと長く不評でした。ファンのあいだでは「Steamで買うな、GOGで買え」が定番の助言だったほどです。「ようやく完全版がSteamに来る」という期待が大きかったぶん、落差もそのまま大きくなりました。
Redditでは4,700件超の支持が集まり、皮肉と同情が入り混じった
この件はRedditのr/gamingで一気に広がり、元のスレッドは4,700件を超える支持を集めました。上位のコメントを意訳で紹介します。
- 「ソニーは『物理のゲームを取り上げる』と言った。ユービーアイソフトは『デジタルのゲームすら渡さない』」(2,000件超の支持)
- 「いつものユービーアイソフト」(1,400件超の支持)
- 「GOGならDRMフリーのオリジナルが5ドルで買える。そっちを買ったほうがいい」(270件超の支持)
- 「50件くらいの案件を掛け持ちしている担当者が1人でビルドを流していて、ファイルのコピーを忘れただけだと思う」
※いずれも編集部による意訳です。個々の匿名投稿を事実の根拠にはしていません。Redditでは叩く声と同時に、現場の担当者に同情する受け止めも目立ちました。「これ以上に強力なコピー防止技術はない」と冗談にする投稿もあり、全体としては怒りよりあきれと笑いが上回っていた印象です。
最も支持を集めたのが「物理で買えない、デジタルでも渡されない」という皮肉だったのは、少し引っかかりました。デジタルで買ったものが本当に手元にあるのか、という不安が下敷きにあります。今回は11時間で直ったから笑い話で済んだだけで、同じ雑さが配信停止や仕様変更の側で起きたら、笑えません。
日本語で遊べるのは2027年のリメイクから。いま売られているオリジナル版に日本語はない
日本のSteamでも同作は1,380円で販売中です。ただし対応言語は英語・フランス語・ポーランド語・ロシア語で、日本語は入っていません。今回の11時間は日本のユーザーにとっても人ごとではなく、同じ空ファイルをつかんだ人がいたはずです。
一方で、同時に発表されたリメイクのストアページには「ヒーローズ・オブ・マイト・アンド・マジックIII リメイク」という日本語名が付き、対応言語にも日本語が並んでいます。1999年の原作から数えて、日本語で腰を据えて遊べる機会がようやく巡ってくる形です。
今回の抜けは、たしかに笑い話で済みました。11時間で直り、返金騒ぎにもなっていません。ただ、記念に合わせて予告なく出す売り方は、話題づくりが先に立って点検が後ろに回りやすいということでもあります。2027年のリメイクを心待ちにしている人ほど、この雑さは覚えておいていいと思います。
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