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【韓国】CORTIS、8月24日公開の新曲に先輩歌手ハンロロの名前。日本語訳では消える3語の韻が発端だった

編集部
吉沢まことVelleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight
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【韓国】CORTIS、8月24日公開の新曲に先輩歌手ハンロロの名前。日本語訳では消える3語の韻が発端だった

3行サマリー

  • HYBE傘下のCORTISが8月22日、ソウルの高麗大学校華井体育館で開いたデビュー1周年公演で、新曲『MONEYMONEYMONEY』を先行披露しました。
  • その歌詞にシンガーソングライターのハンロロ(25)の名前と代表曲『0+0』が引用され、8月24日の音源公開後も韓国では受け止めが割れています。
  • 日本語の報道では「嘲笑疑惑」とだけ伝わりますが、批判の芯にあるのは韓国語でしか成立しない3語の韻です。

CORTISの新曲『MONEYMONEYMONEY』に、先輩歌手ハンロロの名前と代表曲『0+0』が入った

HYBE傘下のBIGHIT MUSICに所属する5人組CORTIS(コルティス)が、新曲の歌詞をめぐって韓国で批判を受けています。舞台は8月22日、ソウルの高麗大学校華井体育館で開かれたデビュー1周年公演「2026 CORTIS TOUR BIRTHDAY PARTY」の初日でした。ここで先行披露された新曲『MONEYMONEYMONEY』の一節に、シンガーソングライターのハンロロ(25、本名ハン・ジス)の名前と、彼女の代表曲『0+0』を思わせる表現が置かれていたのです。

この曲は公演の2日後、8月24日に公開されたミニアルバム2集の拡張版『GREENGREEN_playextended』の収録曲で、メンバー全員が作詞作曲に参加しています。会場のスクリーンには歌詞がそのまま大きく映し出されていたため、ファンが撮影した映像が公演直後からオンラインに広がりました。批判の的になったのは、通帳の残高に「0」を足していくという金銭的な文脈のなかで、ハンロロの名前と曲名が使われた点です。

スポーツ京郷とマネートゥデイ、「原曲の意味が薄れる」と「言葉遊び」で割れた世論を伝える

出典코르티스, 신곡서 한로로 조롱?…”샤라웃” 해명에도 반응 ‘싸늘’(マネートゥデイ / 2026年8月26日)

出典코르티스, ‘돈 자랑’ 신곡에 한로로 소환…”원곡 의미 퇴색”vs”언어유희” 갑론을박(スポーツ京郷 / 2026年8月23日)

騒ぎが大きくなったあと、ハンロロ本人がファン向けプラットフォームに長文を寄せました。

音楽をする人が音楽で対話し、互いの心を満たすことほど意味のあることがあるでしょうか。今回の言及は、良い意味として受け取っています。(ハンロロ/韓国経済の報道より)

CORTISのコンホもファンコミュニティ「Weverse」で、ハンロロの音楽を以前から聴いていて、今回は敬意を示す「シャウトアウト」だったと説明しました。当事者どうしが歩み寄ったことで一度は収まりかけましたが、マネートゥデイは8月26日の記事で、批判が完全には消えていないと伝えています。

ポロロ、ハンロロ、ホロロク。3語の韻は韓国語でしか成立せず、日本語訳では消える

日本語で読むと「先輩の名前を歌詞に出した」という一行の事実にしか見えません。けれども韓国語で聴くと、問題の箇所は3つの語が同じ音で終わる、かなり作り込まれた韻になっています。ここを押さえないと、なぜ韓国のファンがあれほど反応したのかが見えてきません。

韓国語本来の意味歌詞での役目
뽀로로(ポロロ)韓国の国民的アニメに登場するペンギン。子どもらしさの代名詞「遊びながら稼ぐ人」というイメージづけ
한로로(ハンロロ)実在するシンガーソングライターの名前通帳に0を足していくという表現の受け皿
호로록(ホロロク)麺や汁をすする音を表す擬音3語目の韻を締める

「ロロ」「ロク」で終わる3語を並べたところに、たまたま実在の歌手の名前がはまってしまった。批判している側が指摘しているのは、まさにその順番です。名前を出したいから出したのではなく、韻を合わせるために名前が選ばれたように読める、という受け止めですね。

もうひとつ、日本語訳ではどうしても落ちてしまう仕掛けがあります。韓国語で数字の0は「영(ヨン)」と読みます。ハンロロの曲名『0+0』は、声に出すと「영영(ヨンヨン)」、つまり「永遠に」と同じ音になります。韓国経済によると、この曲は自分を何者でもない「0」だと感じている人どうしが出会い、互いを見捨てずに永遠を夢見る、という内容です。ゼロとゼロを足しても数のうえでは何も増えませんが、韓国語の音のうえでは「永遠」になる。その反転が曲の核でした。

CORTISの歌詞では、同じ「0に0を足す」が通帳の桁が増えることの比喩になっています。文字は同じで、意味は正反対の方向を向いている。ハンロロのファンが不快感を示したのは、この落差でした。

ハンロロの声明を伝えたXの投稿は表示1,090万回。それでも「0+0を金と結びつけた」という批判は残った

この件がどれくらいの規模で読まれているのかを確かめるため、8月27日にX(旧Twitter)で韓国語の関連投稿を実際に見てみました。ハンロロの声明文を書き起こして共有した投稿は、リポスト約7,800件、表示回数は約1,090万回に達しています。声明の前に出ていた、ハンロロのファンを名乗る抗議の投稿も表示約353万回、リポスト約1,540件でした。韓国の音楽ニュースとしては、かなり大きな数字です。

反応の中身は、大きく3つに分かれていました。

まず当事者の二人は、そろって収束に動いています。コンホはWeverseで、ハンロロの歌詞を詩のように読んでいて、自分も歌詞をうまく書けるようになりたくて深く読み込んだ、と書きました。ハンロロのほうも、CORTISのメンバーが『0+0』を口ずさむ姿を以前から見てきたと明かし、今回の言及が互いを尊重した瞬間を長く記憶する方法になればと応じています。

擁護する側が持ち出したのは、ヒップホップの引用文化でした。マネートゥデイは、BTSが『Dynamite』でレブロン・ジェームズに触れ、(G)I-DLEが『Queencard』でキム・カーダシアンやアリアナ・グランデの名前を出したのと同じ「シャウトアウト」だという声を紹介しています。会場のスクリーンに名前が表示されていた以上、事前に何らかの確認があったはずで、責められるべきは所属事務所の側だという指摘も出ました。

それでも批判は残りました。Xや韓国のコミュニティでは、「『0+0』を金と結びつけておいて、どうしてそれが尊重になるのか」「題名と名前だけ持ってきて、まったく別の文脈で使われたのが不快だ」という書き込みが目立ちます。個々の投稿は匿名なので、ここでは内容だけを要約しました。

当事者が二人とも大人の対応をしたことで、見出しのうえでは一件落着です。それでも収まりきらないのは、謝るか謝らないかという話ではなく、他人の作品をどう引用してよいのかという線引きの話に変わっているからです。

日本語の記事だけを読むと、この件は「言った・言わない」の話に見えてしまう

日本でもKstyleなどがこの騒ぎを8月25日に報じており、ニュースとしてはすでに入ってきています。ただ、日本語になった時点で3語の韻も『0+0』と「永遠」の重なりも落ちてしまうため、「先輩の名前を出した」「本人は気にしていないと言った」という二行に圧縮されてしまいます。それだと、韓国のファンが何に対して怒ったのかが伝わりません。

日本のヒップホップでも、他のアーティストの名前を歌詞に出すこと自体は珍しくありません。韓国でも同じで、今回もその文化を前提に擁護する声が出ました。分かれ目になったのは、名前の出し方が敬意から始まったのか、韻の都合から始まったのか、という順番です。CORTISは自分たちで作詞作曲まで手がけるグループとして売り出されており、だからこそ「言葉の選び方」への視線が厳しくなった面もあります。

海外の反応を追うときにいちばん惜しいのは、こういう「翻訳で落ちる部分」に理由が埋まっているケースです。今回の一件は、その典型でした。CORTISの新曲がこのあと韓国の音源チャートでどう受け止められるかは、批判が一過性だったのかどうかは、このあとの韓国の音源チャートでの動きに出ます。

編集部
吉沢まこと
Velleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight

日本のアニメ・ゲーム・音楽・カルチャーが海外でどう受け止められたかを、賛否そのままに、現地語の一次ソースで確かめてから日本語にしています。褒めるだけの国内報道とは違う角度で。続報があれば更新日を明記して追記します。