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【アメリカ】エニックスの『天地創造』、31年たって初の北米発売へ。2027年、日本でも初の移植になる

編集部
吉沢まことVelleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight
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【アメリカ】エニックスの『天地創造』、31年たって初の北米発売へ。2027年、日本でも初の移植になる

3行サマリー

  • スウェーデンのClear River Gamesが、スクウェア・エニックスのライセンスを受けて『天地創造』を2027年前半に発売すると発表しました。対応はPS5・PS4・Xbox Series X|S・Nintendo Switch 2・Nintendo Switch・PC(Steam/GOG)の6系統です。
  • 1995年10月20日にエニックスから出たスーパーファミコン版は、日本と欧州・豪州でしか売られませんでした。北米では31年間、一度も発売されていません。
  • 日本でも移植・リマスターは一度もなく、今回が初めてです。Steamのストアページには日本語対応が明記されています。

エニックスの『天地創造』が2027年に復活、北米では31年目で初めての発売になる

Clear River Gamesが日本時間の8月25日、ショーケース番組「Pixel Arcadia」で『天地創造』の復刻版を発表しました。開発・販売は同社が担当し、スクウェア・エニックスからライセンスの提供を受けています。クインテットの主要スタッフも共同開発に加わるとされています。

対応機種はPS5、PS4、Xbox Series X|S、Nintendo Switch 2、Nintendo Switch、PC(Steam/GOG.com)。発売時期はプレスリリースの表記で2027年前半です。オリジナルの見た目と手ざわりを残しつつ、細かな改良と追加要素を加えるとしています。

『天地創造』は、クインテットが開発し1995年10月20日にエニックスから発売されたアクションRPGです。地表の生命が滅びた地球で、地下の村に住む少年アークが世界をよみがえらせていく物語で、『ソウルブレイダー』『ガイア幻想紀』と合わせて「ソウル三部作」と呼ばれています。キャラクターデザインは漫画家の藤原カムイさんが手がけました。

Clear River Gamesの発表文は「西側の多くのプレイヤーが手に取れなかった」と書いている

出典Terranigma announced for PS5, Xbox Series, Switch 2, PS4, Switch, and PC(Gematsu / 2026年8月24日)

出典傑作アクションRPG『天地創造』リマスター版正式発表。スクエニ公認、クインテットの主要スタッフが携わり31年越しに蘇る(AUTOMATON / 2026年8月25日)

出典After 31 years, one of the most beloved JRPGs on the Super Nintendo gets its first-ever North American release(GamesRadar+ / 2026年8月24日)

30年以上にわたり、『天地創造』は西側の多くのゲーマーが手に取れないままの、本物の未発掘の宝石という地位を固めてきました。(Clear River Games ゼネラルマネージャー Ali Manzurin氏のコメント/Gematsu掲載のプレスリリースより)

藤原さんもプレスリリースにコメントを寄せ、「神と人間、創造と破壊というテーマや、あの世界の空気が、今のプレイヤーにも届いてほしい。過去の遺物としてではなく、生きた作品として」と述べています。

北米版が消えた理由は、1995年末にエニックスの米国支社が閉じたこと

この作品が「西側で手に取れなかった」というのは、比喩ではありません。欧州とオーストラリアでは1996年後半に任天堂が『Terranigma』の名前で英語版を出しています。出なかったのは北米だけです。

GamesRadar+は、北米版の計画があったとしても1995年末のエニックス米国支社の閉鎖で立ち消えになった、と伝えています。スクウェアとの合併よりずっと前の話です。ローカライズが終わったころには、現地で出す会社そのものが無くなっていた、という順番です。

同誌はもうひとつ、権利の所在も挙げています。作品の権利の一部がクインテットの開発者側に、一部が現在のスクウェア・エニックスに分かれていたため、公式な移植が長く成立しなかった、という説明です。今回スクウェア・エニックスのライセンスとクインテットの主要スタッフの参加が同時に発表されたのは、そこがようやく片づいたということです。

欧州版は毎秒50コマ。英語で本来の速度で遊ぶ手段が31年なかった

英語圏の受け止めを見ていくと、「北米で売られなかった」よりもう一段深い不満が出てきます。GamesRadar+が挙げているのは映像方式の問題です。1996年の欧州版はPAL方式のテレビ向けで、画面の書き換えが毎秒50回。日本のオリジナルは毎秒60回です。つまり欧州版は本来より遅く動きます。ファンによる修正パッチや改造機で遊ぶ道はあっても、公式に、英語で、本来の速度で遊ぶ方法は31年間ひとつもありませんでした。

その31年ぶんの反応が、公開データにそのまま出ています。Wikipedia英語版「Terranigma」の1日あたり閲覧数は、8月17日が187回でした。それが匂わせの告知が出た8月19日に2,700回、正式発表があった8月24日には8,600回。平常時の46倍です(Wikimedia Pageviews API・UTC日付・2026年8月25日取得)。

動いたのは作品名だけではありません。開発元を指す英語版「Quintet (company)」は8月17日の66回から8月24日に2,232回へ、キャラクターデザインの英語版「Kamui Fujiwara」は17回から666回へ跳ねています。34倍と39倍です。「これを作ったのは誰なのか」を今から調べている人が、それだけいるということです。

公式トレーラー「Terranigma – Rebirth Trailer」の再生数も、公開からおよそ26時間で42,443回でした(2026年8月25日13時12分・日本時間の時点)。Clear River Gamesのチャンネル登録者は2,210人ですから、登録者数の19倍が再生した計算になります。発表を主催したPixel Arcadiaの公式アカウントも、投稿で「長く待たれた北米デビュー」という言い方をしていました。

日本語版も8月19日に1,878回。日本にとっても「初めての移植」になる

日本の読者にとっての要点は、これが海外だけの話ではないことです。『天地創造』は北米で出なかっただけでなく、日本でも一度も移植・リマスターされていない、とAUTOMATONは書いています。グラフィックもシナリオも音楽も高く評価されてきた作品なのに、31年間そのままだったわけです。今回が初めての公式な復刻になります。Steamのストアページには対応言語として日本語が入っています。

反応の出方は日本語側にも表れていて、Wikipedia日本語版「天地創造 (ゲーム)」は8月17日の205回から、匂わせが出た8月19日に1,878回、発表当日の8月24日に2,010回まで伸びました。ただし倍率でみると平常時の約10倍で、英語版の46倍とは差があります。日本のファンは作品を知っていて「ついに来た」と反応し、英語圏では「そんな作品があったのか」から始まっている、と読める違いです。

この復刻でいちばん大きいのは、追加要素より「遊べなかった31年」が終わること

発表されたのは2027年前半という時期と機種だけで、価格も具体的な日付もまだありません。追加要素の中身も「改良と特典」という書き方にとどまっています。それでも英語版Wikipediaが平常の46倍まで跳ねたのは、新しい要素への期待というより、正規の手段が存在しなかった31年が終わるからでしょう。

権利が二つに分かれていた作品が、両方の合意をそろえて戻ってくる。同じ事情で棚に上がったままの1990年代の作品は、日本にも海外にもまだ残っています。『天地創造』がその先例になるかどうかは、2027年の売れ方を見てからの話になりそうです。

編集部
吉沢まこと
Velleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight

日本のアニメ・ゲーム・音楽・カルチャーが海外でどう受け止められたかを、賛否そのままに、現地語の一次ソースで確かめてから日本語にしています。褒めるだけの国内報道とは違う角度で。続報があれば更新日を明記して追記します。