📊 3行サマリー
- インド初をうたう公式の大型ポップカルチャー祭「C.O.R.E」が6月20〜21日、ムンバイのJio World Convention Centreで開幕。主催側は2日間で3万人超の来場を見込む。
- 会場を貫く5つのテーマ「ストリート」のうち、「東京ストリート」が丸ごと日本のアニメ・マンガ専用ゾーン。鬼滅の刃・呪術廻戦・ドラえもん・ゴジラなど日本IP11作品超を展示する。
- インドは日本・中国に次ぐ世界3位のアニメ視聴国(浸透率41%)。市場は2024年の約18.5億ドルから2032年には約50億ドルへ伸びる見通しで、日本コンテンツの現地受容が数字で裏づけられた。
📝 インド初の大型ファン祭、5ストリートの一角がまるごと日本アニメ専用に
6月20〜21日、ムンバイ・バンドラクルラ地区のJio World Convention Centreで、インド初をうたう公式の大型ポップカルチャー祭「C.O.R.E(Culture of Real Experiences)」が開かれている。仕掛けたのはFanthology StudiosとBlack White Orangeの2社で、来場予測は2日間で3万人を超える。会場は「東京ストリート」「マルチバース・ストリート」「インディア・グリー」「ミックステープ」「キッズ・コスモス」という5つのテーマ区画に割られ、そのうちの「東京ストリート」が、日本のアニメ・マンガ・コスプレ・グッズだけを集めた専用ゾーンになっている。物販ブースを並べる従来型の即売会ではなく、来場者が作品世界の中に歩いて入っていく体験型を前面に出したのが、これまでのインドのイベントとの違いだ。
📰 Outlook Respawn報道:鬼滅からドラえもんまで日本IP11作品超を展示
元ネタ:C.O.R.E Mumbai 2026: India’s First Pop-Culture Mega Festival(Outlook Respawn / 2026年5月16日)
C.O.R.E was born from an idea that gives an IP-safe space for fans who deserve more than just retail booths.(C.O.R.E.は、物販ブース以上のものを求めるファンに、IPを安心して扱える場を与えるという発想から生まれた)
東京ストリートに並ぶ日本作品は、鬼滅の刃、呪術廻戦、ハイキュー!!、僕のヒーローアカデミア、BLEACH、チェンソーマン、SPY×FAMILY、ワンパンマン、ダンダダン、それにドラえもん。さらにゴジラをモチーフにしたアリーナまで用意される。配信大手のCrunchyrollも特別セッションを受け持つ。主催のBhavik Vora共同創業者は、インドには世界でも屈指の熱量を持つファン層がいるのに、それを祝う公式の大きな拠点がこれまでなかった、と話している。
🔥 アニメ市場が2032年に約50億ドルへ——インドのZ世代が日本IPを掴んだ背景
なぜ今、インドでこれほどの規模の祭が成り立つのか。下地にあるのは、現地でのアニメ受容がこの数年で一気に広がったことだ。Outlook Respawnが引くデータでは、インドのアニメ市場は2024年に約18.5億ドル規模で、2032年には約50億ドルまで膨らむ見通し(年率13.3%)。視聴の浸透率で見ると、インドは日本・中国に次ぐ世界3位にあり、人口のおよそ41%がアニメを観るとされる。ゲーム市場も2026年時点で約50億ドルあり、ポップカルチャーにお金を落とす土台が短期間で厚くなった。Crunchyrollがヒンディー語などの吹き替えに投資して配信の裾野を広げたことも、リアルイベントの集客につながっている。
🇯🇵 日本アニメの輸出に残る「現地イベントの主導権」という宿題
この祭は日本のアニメ業界にとって追い風であると同時に、宿題も突きつけてくる。展示される作品はほぼ日本産だが、イベントを企画し、収益の設計をしているのはインドの主催企業やライセンス仲介会社の側だ。コンテンツは日本発でも、現地で「体験」を売る座組みの真ん中に日本側はいない。グッズ、チケット、スポンサー収入といった現地のマネタイズは、ライセンス料を超える取り分が現地に落ちやすい構造になる。ブラジルのAnime FriendsやフランスのJapan Expoと同じ図式で、日本のIPホルダーが現地イベントにどこまで主体的に入っていくかが、輸出を「配信+ライセンス」から「体験収益」へ広げられるかどうかの分かれ目になる。
🏁 アニメ大国インドで、日本は「観客」か「主役」か
C.O.R.E.の登場は、インドが日本アニメの一大消費地として成熟したことの証だ。3万人が東京ストリートに集まる光景は、これまで数字で語られてきた市場成長が、現実の熱量に変わった瞬間でもある。ただ、その熱を誰が収益に変えるのかという問いは残ったままだ。日本にとっての次の課題は、作品を届けることではなく、現地で生まれる「体験」と「お金」の流れにどう食い込むか。その答えを、ムンバイの2日間が先回りして見せている。


