2026年8月27日 海外メディアとファンの愛を、脚色なしで日本語に @VelleityNote
Home/ゲーム/【台湾】コーエーテクモ『レスレリアーナのアトリエ』11月25日終了。海外版は1年2か月で先に閉じ、日本版だけ3年続いた

【台湾】コーエーテクモ『レスレリアーナのアトリエ』11月25日終了。海外版は1年2か月で先に閉じ、日本版だけ3年続いた

編集部
吉沢まことVelleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight
公開
最終更新
現地の一次ソースで確認 約6分で読めます
【台湾】コーエーテクモ『レスレリアーナのアトリエ』11月25日終了。海外版は1年2か月で先に閉じ、日本版だけ3年続いた

3行サマリー

  • コーエーテクモゲームスが8月27日、『レスレリアーナのアトリエ』を11月25日16時で終了すると発表しました。2023年9月23日の配信開始から約3年2か月です。
  • 英語と中国語に対応した海外版は、2024年1月25日に始まり2025年3月28日に終了しています。日本版はそこから1年8か月ぶん長く続きました。
  • モバイルの累計課金は約5,770万ドルで、うち日本が約5,250万ドルと9割。海外で最も大きかった台湾は170万ドルでした(AppMagic調べ・2025年1月時点)。

11月25日16時でサービス終了、公式Discordも同じ日に閉じます

コーエーテクモゲームスは8月27日、スマートフォン・PC向けの錬金術RPG『レスレリアーナのアトリエ』のサービスを、2026年11月25日16時で終了すると発表しました。iOS/Android版の配信開始は2023年9月23日、PC(Steam)版は2024年1月なので、約3年2か月での終了です。

発表と同じ8月27日の16時には、有償星導石の購入と各種有償商品の販売、有償限定ガチャがすべて止まります。同じタイミングでメインストーリー第33章「私たちの未来」が追加され、「3周年スペシャルバトル」も始まります。売るものを止めた日に最終章を出す、という並びでした。公式Discordサーバーは9月30日に新規投稿ができなくなり、11月25日に閉鎖されます。9月23日には3周年の特設サイトが開き、本編で語られなかったショートストーリーやこれまでの振り返りが載る予定です。

発表は公式Xの「重要なお知らせ」から、開発チームの手紙はゲーム内だけに置かれました

出典コーエーテクモ、『レスレリアーナのアトリエ』のサービスを11月25日をもって終了 約3年の歴史に幕(gamebiz / 2026年8月27日)

出典『レスレリアーナのアトリエ』11月25日16時をもってサービス終了へ(電ファミニコゲーマー / 2026年8月27日)

この度、誠に勝手ながら『レスレリアーナのアトリエ』は、2026/11/25 16:00をもちましてサービスを終了させていただくこととなりました。急なお知らせとなりましたことを深くお詫び申し上げます。(公式X @Atelier_Resleri)

終了の理由は、公式の告知文にも各誌の記事にも書かれていません。開発チームからの手紙はゲーム内にだけ掲示されていて、プレイしている人にしか読めない形になっています。外に向けた説明と、遊んでいる人に向けた説明を分けたのだと受け止めました。

海外版は2025年3月に終わっていた。課金の9割は日本で、海外最大の台湾でも170万ドル

この作品には、英語・繁体字中国語・簡体字中国語に対応した海外版がありました。2024年1月25日にサービスを開始し、2025年3月28日11時(UTC+8)に終了しています。約1年2か月です。コーエーテクモは終了の理由を、満足のいく水準でイベント制作やゲームの改善を続けられないため、と説明していました。日本版はそのまま運営が続き、結果として海外版より1年8か月長く生き延びたことになります。

その差の背景として、海外メディアのPocketGamer.bizが2025年1月にAppMagicの推計を報じています。モバイルでの累計課金は約5,770万ドルで、そのうち約5,250万ドル、割合にして9割が日本のプレイヤーによるものでした。海外で最も大きかった市場は台湾の170万ドル(約3%)、次いでアメリカの140万ドル(約3%)です。台湾とアメリカの課金額は2024年2月をピークに落ち、同年7月以降は2地域の合計が月10万ドルを超えていないとされます。世界全体の月間課金が200万ドルを上回ったのも、2024年7月が最後でした。

台湾が海外で最大の市場だったのは、『アトリエ』シリーズがもともと台湾で強く、繁体字対応が最初から用意されていたことと無関係ではないはずです。ただ数字で見ると、海外全体を足しても日本の1割ほど。海外版を先に閉じる判断は、この構図を見るかぎり動かしにくかったのだろうと思います。

Steamに残った声は海外版3,332件に対し日本版497件、海外版の最多言語は簡体字中国語でした

課金額と、遊んでいた人の数や熱量は必ずしも一致しません。そこで、いまも残っているSteamのレビュー数を数えてみました(2026年8月27日時点・Steamの公式レビューデータより)。

すでに終了した海外版のSteam版に付いたレビューは3,332件で、好評1,828・不評1,504、好評率にすると54.9%です。いっぽう日本版は497件で、好評226・不評271の45.5%。件数だけで6.7倍の差がありました。課金では9割を占めた日本のほうが、Steamに残した声はずっと少ないという逆転が起きています。

言語の内訳も見てみると、海外版のレビューで最も多かったのは簡体字中国語の1,330件(好評605・不評725)で、英語の1,241件(好評761・不評480)を上回っていました。繁体字中国語が355件、以下スペイン語72件、ブラジルポルトガル語63件、タイ語62件、ドイツ語37件、韓国語27件と続きます。日本語は13件です。日本版のほうは日本語466件が大半で、そこに簡体字16件、英語9件、繁体字5件が混じっていました。日本語しか用意されていないビルドに中国語圏や英語圏のレビューが残っているのは、海外版が閉じたあとも日本版に移って遊び続けた人がいたことをうかがわせます。

好評率にも差が出ていて、英語のレビューは61.3%が好評だったのに対し、簡体字中国語は45.5%。「海外版」とひとくくりにされていた層の中でも、受け止め方はかなり違っていたことになります。

日本のプレイヤーに残るのは3か月と第33章、そして家庭用の『紅の錬金術師と白の守護者』

日本のプレイヤーにとって、ここから終了までは約3か月です。8月27日16時に追加された第33章「私たちの未来」でメインストーリーは完結し、9月23日の3周年特設サイト、そして11月25日16時、という順に区切りが来ます。有償の星導石はもう買えないので、手元にあるぶんをどう使い切るかという時間になりました。未使用の有償星導石については払い戻し対応が予定されています。

『レスレリアーナのアトリエ』の世界観は、2025年9月に発売された家庭用ソフト『紅の錬金術師と白の守護者 ~レスレリアーナのアトリエ~』に引き継がれています。こちらはPS5・PS4・Switch・Steamで、日本と海外が同時に展開されました。スマホゲームでは日本と海外で運営が分かれ、片方だけが先に閉じることになりましたが、買い切りのソフトなら、そもそもその分かれ道が生まれません。海外のファンにレスナとヴァレリアの物語を届け続ける手段として、いまはそちらが本線になっているのだと思います。

日本のスマホゲームが海外版を先に畳む例は珍しくありませんが、そのあとに日本版も閉じるとなると、海外のプレイヤーから見た体感は「二度なくなった」に近いはずです。Steamに残る簡体字や英語のレビューを見ていると、そのことがどうしても気になりました。

1年2か月で閉じた海外版と3年2か月の日本版、最後は同じ11月25日16時に止まります

運営期間も、課金額も、レビューの数も、海外版と日本版ではまったく違う形をしていました。それでも、レスナとヴァレリアの物語が遊べなくなる日は、結局ひとつに戻ってきます。2026年11月25日16時です。

先に終わった側の人たちは1年半以上前にお別れを済ませていて、残った側の人たちはこれから3か月かけてお別れをします。順番は違っても、同じ作品を好きだった人が同じ場所を失うことに変わりはありません。3周年の特設サイトが9月23日に開くと聞いて、最後にもう一度この世界の話を読んでもらう機会を用意したのだな、と感じました。

編集部
吉沢まこと
Velleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight

日本のアニメ・ゲーム・音楽・カルチャーが海外でどう受け止められたかを、賛否そのままに、現地語の一次ソースで確かめてから日本語にしています。褒めるだけの国内報道とは違う角度で。続報があれば更新日を明記して追記します。