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【台湾】進撃の巨人の野球コラボ、5試合中2試合が雨で中止。開催できた3試合の観客は通常より1試合300人多いだけ

編集部
吉沢まことVelleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight
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【台湾】進撃の巨人の野球コラボ、5試合中2試合が雨で中止。開催できた3試合の観客は通常より1試合300人多いだけ

3行サマリー

  • 台湾プロ野球・富邦ガーディアンズの『進撃の巨人』コラボ主題日は5試合の予定でしたが、8月21日と22日が雨で中止。22日分は9月15日18時35分に振り替えられました
  • 開催できた3試合の観客数は、8月23日が10,045人、26日が9,055人、27日が8,630人。3試合で27,730人です
  • 同じ新莊棒球場の主題日なし3試合(8月7日・12日・13日)は平均8,942人。差は1試合あたり約300人にとどまりました

Series進撃の巨人 台湾プロ野球コラボ全2本

台湾プロ野球・富邦ガーディアンズが2026年夏に組んだ『進撃の巨人』コラボ主題日を、発表から開催の結果まで追います。

  1. 2026/8/11【台湾】プロ野球の富邦ガーディアンズ、『進撃の巨人』コラボが好評で5試合に拡大。球団史上初の全身黒ユニフォームは調査兵団仕様
  2. 2026/8/29【台湾】進撃の巨人の野球コラボ、5試合中2試合が雨で中止。開催できた3試合の観客は通常より1試合300人多いだけ(この記事)

5試合のうち8月21日と22日が雨で流れ、実際に開けたのは3試合だけだった

台湾プロ野球(中華職業棒球大聯盟)の富邦ガーディアンズ(富邦悍將)が、本拠地の新莊棒球場で組んだ『進撃の巨人』コラボ主題日。当初の8月22日・23日の2試合から、反響を受けて21日・26日・27日を足した5試合に拡大した経緯は、前の記事で書いたとおりです。

ところが、5試合は最後まで揃いませんでした。中華職棒の公式賽程によると、8月21日(第279戦)と22日(第282戦)はいずれも延期。21日分は補試合週へ、22日分は9月15日(火)18時35分開始に振り替えられています。開催できたのは23日・26日・27日の3試合だけでした。

球団が用意した目玉は、土日の2日間でした。応援旗の配布(22日はロイヤルブルー、23日はグローリーブルー)も、炭酸水ブランドとのコラボ缶も、この週末に集中させていました。その片方が消えたことになります。

三立新聞網の現場報道:選手の控室まで浸水し、ファンは「進水の巨人」と呼んだ

出典中職/《進擊的巨人》成「進水的巨人」 悍將主題日連2天因雨延賽(三立新聞網 / 2026年8月22日)

出典2026年8月 一軍例行賽 賽程・成績看板(中華職業棒球大聯盟 公式 / 2026年8月29日15時JST閲覧)

首日在開打時間前雨勢過大,甚至連選手休息室都淹水

訳すと「初日は試合開始前から雨が強く、選手の控室まで浸水した」。記者の黄耿誼さんが新莊の現場から書いています。22日も夕方16時ごろから19時ごろまで降り続き、こちらも中止が決まりました。

台湾のファンはこれを「進水的巨人」(水が入ってきた巨人)と呼びました。『進撃』と『進水』は台湾華語の発音が近く、1文字替えただけで意味が反転します。日本語だと「進撃」を「浸水」に置き換えるのがいちばん近いのですが、音の重なりは台湾華語のほうがはるかにきれいです。この手の言葉遊びの速さには、現地の掲示板を見ていていつも感心してしまいます。

開催できた3試合の観客は10,045人・9,055人・8,630人。通常の主催試合との差は1試合300人

では、開けた3試合はどれだけ客が入ったのか。台湾でもこの数字をまとめた報道は見当たらなかったので、中華職棒が公式サイトのボックススコアで出している「觀眾人數」を1試合ずつ拾いました(2026年8月29日15時JST時点)。比較のため、同じ8月に新莊で行われた富邦ガーディアンズの主催試合をすべて並べています。

日付曜日対戦相手主題日観客数
8月1日台鋼ホークス虎道同盟(阪神タイガース)10,022
8月2日台鋼ホークス虎道同盟(阪神タイガース)8,483
8月7日統一ライオンズなし8,588
8月8日統一ライオンズ旅行趣雨天中止
8月9日統一ライオンズ旅行趣雨天中止
8月12日中信ブラザーズなし9,002
8月13日中信ブラザーズなし9,237
8月21日味全ドラゴンズ進撃の巨人雨天中止
8月22日味全ドラゴンズ進撃の巨人雨天中止(9月15日に振替)
8月23日味全ドラゴンズ進撃の巨人10,045
8月26日台鋼ホークス進撃の巨人9,055
8月27日台鋼ホークス進撃の巨人8,630

コラボ3試合の平均は9,243人。主題日をつけていない3試合(8月7日・12日・13日)の平均は8,942人です。差は1試合あたり約300人、率にして3.4%でした。日本のアニメで最も名前の通ったIPのひとつを持ってきて、動いた数字がこれです。

曜日を揃えるともう少し厳しく見えます。水曜どうしなら9,055人(コラボ)対9,002人(通常)でほぼ横並び、木曜どうしなら8,630人(コラボ)対9,237人(通常)でコラボのほうが600人少ない。ただし通常側の8月12日・13日は、台湾でいちばんファンの多い中信ブラザーズが相手でした。対戦カードの人気差がそのまま出ている可能性は残ります。ここは断定できません。

大事なのは、この3試合が「残り物」だという点です。前の記事で触れたとおり、8月22日は雨が降り出す前に球場が埋まり、球団は入場したファンに記念品だけを渡して解散しています。中華職棒のルールでは、始まらなかった試合の観客数は記録に残りません。つまりコラボがいちばん客を呼んだ日は、統計から丸ごと抜け落ちています。数字だけを見て「日本のアニメは効かなかった」と読むのは正確ではありません。

PTT野球板に立ったスレッドは告知と中止で6本、開催できた3試合はゼロ本

現地の受け止めも見ておきます。台湾最大級の掲示板PTTの野球板で「進擊的巨人」を検索したところ、今回の主題日に関するスレッドは6本ありました(2026年8月29日15時JST観測)。

  • 6月17日 主題日の発表:推薦74件
  • 8月10日 コラボユニフォーム公開:推薦64件
  • 8月10日 5試合への拡大:推薦34件
  • 8月17日 第1弾コラボ商品:推薦34件
  • 8月22日 「進水的巨人」の記事:推薦34件
  • 8月22日 2日連続の雨天中止:推薦28件

盛り上がりは告知と中止に集中していて、実際に開催できた8月23日・26日・27日については、板にスレッドが1本も立っていません。当日の写真も感想も、少なくとも野球板には流れませんでした。

「進水的巨人」のスレッドを読むと、批判より落胆のほうが目立ちます。「とても誠意のある主題日だったのに、大雨に当たっただけ」「外に作った城壁は本当によかった、ただ天気が」「あんな大きなIPなのに、かわいそう」。ある投稿者は「ファンも損、球団も損」と一言で書いていました。屋外球場への恨み節も出ていて、「新北にもドームが要る」「来年は台北ドームでやって、チケット保証の要らない大きなIPを探せばいい」という書き込みが並びます。

そして最も繰り返されたのが「補試合にも巨人は出てくるのか」という疑問でした。9月15日に振り替えられた1試合で、球団がコラボ演出をもう一度組むのかどうか。この記事を書いている時点で、球団からの説明は確認できていません。

日本のIPが台湾の球場で「どれだけ効くのか」が、初めて数字で見えた

今季の台湾プロ野球は、6球団のうち5球団が日本発のコンテンツと組んでいます。中信ブラザーズは9月18日から20日に台北ドームで『鬼滅の刃』、味全ドラゴンズは『HUNTER×HUNTER』、楽天モンキーズは「にじさんじ野球日」。日本から見ると景気のいい話ばかりが伝わってきますが、興行としてどれだけ効いているかを示す数字は、これまでほとんど出てきませんでした。

参考までに、味全ドラゴンズの『HUNTER×HUNTER』第1弾初日(8月28日・天母球場)は7,629人。同じ天母での主催試合は8月5日が7,158人、6日が6,678人ですから、こちらは1割ほど上を行っています。ただし8月28日は金曜、5日と6日は水曜と木曜なので、曜日の差がそのまま出ているとも読めます。

ここから日本のIPホルダーが読み取れることは、たぶん2つです。ひとつは、屋外球場を使う海外イベントで、当日の集客をライセンス料の根拠に置くのは危ういということ。台湾の8月は雨の月で、今季の新莊は主題日を組んだ週末が2度続けて流れています。もうひとつは、それでも前売りと物販は動いていたということ。応援旗もコラボ缶も選手カードも、雨が降る前に受け取ったファンの手には渡っています。効果を測るなら、当日の観客数ではなく、チケットが売れた時点とグッズが動いた数で見るほうが実態に近いはずです。

台湾の球場で日本のアニメが動かせるのは前売りまで。最後は屋根が決める

『進撃の巨人』のアニメ本編は2023年に完結しています。それでも台湾では、球団が球団史上初となる全身黒のユニフォームを作るだけの力が残っていました。ユニフォームも城壁の装飾も、現地のファンが口を揃えて褒めています。企画そのものは、失敗していません。

失敗したのは天気でした。そして中華職棒の記録に残るのは、天気に恵まれた3試合の数字だけです。10,045人・9,055人・8,630人という数を、日本のIPの実力として読むのは無理があります。読み取れるのはもっと地味なことで、コラボの成否を後から検証したいなら、球団は動員だけでなくグッズの販売数を出す必要がある、ということです。

次の節目は9月15日、振り替えられた1試合です。調査兵団がもう一度新莊に戻ってくるのか、それとも普通の火曜日のナイターになるのか。台湾のファンがいちばん知りたがっているのは、実はそこでした。

編集部
吉沢まこと
Velleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight

日本のアニメ・ゲーム・音楽・カルチャーが海外でどう受け止められたかを、賛否そのままに、現地語の一次ソースで確かめてから日本語にしています。褒めるだけの国内報道とは違う角度で。続報があれば更新日を明記して追記します。